張継 (民国)

張継（ちょう けい）：革命家から反共の政治家へ

張継は、中国同盟会時代から中国国民党で活躍した政治家です。彼は、革命運動に身を投じ、国民党内では反共の立場を貫きました。その生涯は、激動の中国近現代史と深く結びついています。

革命運動への参加

張継は、地主の家庭に生まれ、幼少期から学問に励みました。1899年、日本に留学し、東京専門学校（現在の早稲田大学）で政治経済を学びました。この留学中に、ルソーの思想に触れ、反清活動に傾倒します。1902年には、孫文と出会い、革命運動に参加するようになりました。

帰国後、張継は章炳麟らとともに雑誌『蘇報』を創刊しますが、発禁処分に遭います。その後も、『国民日日報』を創刊するなど、言論活動を続けました。また、黄興の活動に加わり、革命運動に積極的に関与しました。1905年には、中国同盟会に加入し、機関報『民報』の編集人兼発行人を務め、立憲派との論争を展開しました。

中国国民党での活動

辛亥革命後、張継は中国同盟会本部が南京に移ると、交際部主任兼河北支部長に任命されました。1913年には、国民党として国会議員に当選し、参議院議長に選出されました。しかし、二次革命（第二革命）の失敗後、欧米で活動し、1920年以降は、孫文の下で中国国民党の組織のために奔走しました。

当初、張継は孫文の聯ソ聯共政策に賛成していましたが、ソ連との交渉を担当する中で、ソ連側の消極的な姿勢に不信感を抱くようになりました。1924年1月には、国民党第1回全国代表大会で中央監察委員に選出されますが、この頃から孫文の三大政策に反対する姿勢を鮮明にしました。同年8月には、孫文に共産党との決別を迫り、逆に譴責を受け、上海に引きこもりました。

孫文の死後、1925年11月には、西山会議派に参加し、反共の姿勢を強めました。翌年3月には、西山会議派による国民党第2回全国代表大会で中央執行委員に選出されています。

反共活動の維持と国共内戦への影響

1927年の南京・武漢・上海合流後、張継は蔣介石を支持し、国民政府で要職を歴任します。1928年には司法院副院長兼北平政治分会主席、1929年には中央監察委員に任命されました。1931年には立法院院長に選出されましたが、就任することなく辞任しました。

1937年、国民党内で聯共政策復活の動きがあった際、一時的に賛成しましたが、直前になって撤回し離脱しています。日中戦争終結後、1946年に開かれた国民党6期2中全会では、政治協商会議の内戦回避提案に反発し、反共の主張を強く訴え、国民党に受け入れさせました。彼のこの行動は、国共内戦勃発の主要な原因の一つとされています。

1947年、国史館館長に就任しましたが、同年12月15日に66歳でこの世を去りました。張継は、革命家として活動した一方で、その後の反共的な立場が、中国の近代史に大きな影響を与えた人物として知られています。

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