張裳

張裳（チャン・サン）

張裳（チャン・サン、1939年10月3日 - ）は、大韓民国の女性政治家、神学者、教育者です。梨花女子大学校の元総長であり、牧師の資格を持つクリスチャンでもあります。本貫は仁同張氏。

韓国初の女性国務総理候補

2002年7月、張裳は韓国史上初の女性国務総理に指名されました。しかし、人事聴聞会で偽装転入疑惑などが指摘され、野党からの厳しい追及を受けました。結局、国会での国務総理任命同意案は否決され、就任には至りませんでした。

生い立ちと学歴

張裳は、1939年に日本統治下の朝鮮、平安北道龍川郡で生まれました。1947年に母親と共に38度線を越えて韓国へ移住しました。淑明女子高校を卒業後、梨花女子大学校数学科、延世大学校神学科に進学。その後、アメリカのイェール大学とプリンストン大学神学大学院で修士号と博士号を取得しました。

教育者としてのキャリア

帰国後、張裳は梨花女子大学校キリスト教学科の教授に就任しました。1996年には梨花女子大学校の総長に就任し、梨大史上初の既婚女性出身の総長となりました。その後、韓国私立大学総長協議会会長、韓国女性有権者連盟諮問委員、統一部統一顧問、民主平和統一諮問会議副議長などの要職を歴任しました。

国務総理指名と辞退

2002年6月には、李漢東の後任として国務総理代理を一時期務めました。その際、アメリカ留学中に出産した長男の二重国籍問題が発覚しました。その後、金大統領によって国務総理候補に指名されましたが、国会の人事聴聞会で長男の二重国籍問題、学歴の虚偽記載、土地投機疑惑、偽装転入などの問題が追及され、任命承認を得ることができませんでした。張裳自身は、この聴聞会を「答弁よりも質問ばかりで、聞いたことに対する答えを聞こうとしない聴聞会だった」と振り返っています。

政界での活動

2006年2月、張裳は民主党に入党し、第4回全国同時地方選挙の選挙対策委員長や党代表を歴任しました。2010年の再補欠選挙では、民主党所属の候補としてソウル特別市恩平区乙選挙区から国会議員選挙に出馬しましたが、ハンナラ党の李在五に敗れ落選しました。

現在

近年は牧師として宣教活動を行っています。

張裳は、韓国の女性政治家、教育者として重要な役割を果たし、多くの人々に影響を与えました。彼女の経験は、韓国社会における女性の地位向上や、政治における透明性の重要性を示唆するものです。

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