梨花女子大学校

梨花女子大学校

梨花女子大学校（イファじょしだいがっこう、朝鮮語: 이화여자대학교、英語: Ewha Womans University）は、韓国のソウル特別市西大門区に位置する私立大学です。1886年に設立され、韓国で初の総合女子大学として名を馳せています。この大学の略称は梨花女子大または梨大（イデ）です。

概要

梨花女子大学は、ソウル大学校、延世大学校、高麗大学校と並び、韓国のトップとされる「ソヨンゴイ」に数えられています。大学の起源としては、1887年に設立された李氏朝鮮・大韓帝国初の女学校「梨花学堂」があります。そして、女子教育を重視するミッション系の大学として、多様な学問分野を持っています。

この大学は美術、音楽、看護、薬学など、さまざまな学部を展開しており、1996年には世界初となる女子大学の工学部を設立しました。現在では、約20,000人の学部生と大学院生が在籍しており、広範なキャンパス内で人文科学から工学、医学まで多岐にわたる専門分野を学べます。

海外との交流も盛んで、81ヶ国にわたる996大学との単位互換制度を整備し、16カ国の126教育研究機関と提携を結んでいます。注目すべきは、ハーバード大学との協定校でもあり、国際的な教育水準の向上に努めています。初代総長にはアメリカで博士号を取得した金活蘭が就任しており、現総長は金惠淑です。

沿革

1886年3月31日、アメリカのメソジスト派宣教師メアリー・F・スクラントンにより、「洋国館」という名の女子教育機関が韓国に設立されたのが始まりです。その後、1887年には高宗から梨花學堂と名付けられ、1904年には4年制の中学科、1910年には4年制の大学科が設置され、着実に教育制度が整備されていきました。

その後、様々な名称変更を経て、1946年には梨花女子大学校として正式に認可され、韓国で初めての総合大学としての地位を確立しました。戦争中は校舎が消失するなどの困難もありましたが、持ち直し、教育の質と規模を拡張してきました。

主要な学部と大学院

梨花女子大学には、12の単科大学が設置されており、それぞれが特定の学問分野に特化しています。また、充実した大学院も揃えており、さらなる専門知識を学べる環境が整っています。

大学の著名な出身者

多くの著名人が梨花女子大学から輩出されています。大韓民国の第14代大統領金泳三の妻である孫命順や、第17代大統領李明博の妻金潤玉など、政治家の夫人として知られる人物が多数います。実業界でも、現代グループ会長の玄貞恩や、サムスングループの洪羅玲などが出身者として名を連ねています。

附属施設

大学には多くの附属施設も存在し、梨大付属100周年記念博物館や梨花歴史博物館などの文化施設が整っています。また、言語教育院では、外国人向けに朝鮮語教育を行い、多様な国からの留学生を受け入れています。

統一教会事件

1955年に発生した統一教会事件は、「梨花女子大学事件」とも呼ばれ、大学内で教授や学生が信者となり、数名が退学処分を受けたことで大きな注目を集めました。この事件は統一教会の実態を明らかにする契機となり、世間での批判の声が高まりました。学内での信仰活動に対して大学当局は調査を行い、強硬な態度で臨みました。

韓国語教育

言語教育院は1962年に設立され、外国人への韓国語教育に力を入れています。新村地区に位置し、留学生からの人気が高い教育機関です。梨花の名は中国語においても様々な意味を持つことから、観光名所としても訪れる人々に親しまれています。

梨花女子大学校は、その豊かな歴史と多様な教育プログラムを通じて、未来のリーダーを育成し続けています。

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