強竜打線

強竜打線

強竜打線（きょうりゅうだせん）は、中日ドラゴンズの打線を指す愛称です。別名「恐竜打線」とも呼ばれました。

概要

1996年までナゴヤ球場（改修前）を一軍ホームグラウンドにしていた時期の中日は、球場の狭さを生かした打撃が売りのチームでした。しかし、1997年にナゴヤドームへ移転してからはチームが不振に陥り、星野仙一監督（当時）の方針のもと、投手を中心とした守備重視のチームへと転換しました。

各年代の強竜打線

定義が曖昧なため、ここでは中日ドラゴンズが優勝した年を中心に、その打線の特徴を見ていきましょう。

1974年

与那嶺要監督のもと、巨人のV10を阻止して20年ぶりに優勝した年です。突出したスター選手はいませんでしたが、チーム全体の総合力で巨人・阪神を上回りました。

1982年

近藤貞雄監督率いる「野武士軍団」が、巨人とのマッチレースを制し8年ぶりの優勝を果たしました。個性豊かな選手たちが活躍しました。

1984年

山内一弘監督が就任し、強力な打線を構築しました。4人が30本塁打以上を記録し、球団記録となるOPS.807を記録。巨人戦では14連勝を記録するなど、前半戦は首位を独走しました。

1988年

星野仙一監督体制2年目。開幕前は最下位予想でしたが、夏場から快進撃を見せ、広島との最大8ゲーム差を逆転して優勝。立浪和義がルーキーながら2番打者としてフル稼働し、小野和幸が最多勝を獲得しました。

1994年

落合博満がFAで巨人に移籍し、チームは不調。高木守道監督の進退が問われるシーズンとなりました。前半は巨人に独走を許しましたが、後半に猛追し、10月8日の最終戦で同率首位の巨人との決戦に持ち込みました。

1996年

星野仙一監督が復帰し、チームの立て直しを図ったシーズン。山崎武司、大豊泰昭を6番、7番に固定し、ホームランを量産。2人と巨人・松井秀喜による本塁打王争いは「陰のクリーンナップ」として他球団から恐れられました。「強竜打線」という言葉が生まれたのもこの頃です。

1999年

前年阪神からトレードで獲得した関川浩一が開花。李鍾範と共にリードオフマンとして活躍しました。ゴメス・立浪・山崎のクリーンナップに加え、井上が開幕21試合連続安打を達成するなど打線が好調。ドラフトで入団した福留孝介もレギュラーに定着しました。

2004年

落合博満監督が就任。「守りの野球」を掲げ、リーグ最少失策数を記録。川上憲伸の復活、落合英二や岩瀬仁紀らリリーフ陣の活躍もあり、5年ぶりのリーグ優勝を遂げました。

2006年

守備攻撃がかみ合い、首位を独走して優勝。ウッズ、福留が打撃三部門のタイトルを独占しました。

2007年

ペナントレースは2位でしたが、クライマックスシリーズで巨人に勝利し、日本シリーズでも日本ハムを破り53年ぶりの日本一を達成しました。

2010年

井端の離脱、ブランコの不調など、貧打に苦しみましたが、リリーフ陣に助けられ球団最多となる12回のサヨナラ勝ちを記録しつつ優勝。森野・和田が打線を牽引し、堂上兄弟・岩﨑達郎・大島洋平らが台頭しました。

2011年

統一球の影響で打撃陣が不調に陥り、チーム打率、総得点ともに12球団ワーストを記録。しかし、投手陣の奮起と谷繁・井端・ブランコの復帰により、少ないチャンスを生かして得点できるようになり、大逆転で球団史上初の連覇を達成しました。

強竜打線は、時代とともに形を変えながらも、常に中日ドラゴンズの象徴であり続けました。

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