往診ドクター事件カルテ

往診ドクター事件カルテ：ハードボイルドな往診医の物語

1992年10月13日から12月22日にかけて、朝日放送制作、テレビ朝日系列で放送されたテレビドラマ『往診ドクター事件カルテ』。全11話で、主演は柴田恭兵。これまでのコミカルな役柄とは一線を画し、ハードボイルドな雰囲気で描かれた本格医療ミステリーです。

ストーリー：

主人公は、刑務所の医官を辞めて、故友が開設していた診療所を引き継いだ加納裕基。愛車のバイクで診療に向かう彼は、大学時代はボクシング部だったほどの腕力と、時に荒々しい一面を見せる男です。熊本出身というバックグラウンドも、彼のキャラクター形成に影響を与えています。

診療所には、故友の未亡人である小野寺篤子と、二人の息子である陽介がいます。篤子は薬剤師の資格を持っており、診療所で調剤業務も行っています。加納を助ける准看護婦の薬丸小百合も、重要な登場人物です。彼女は、以前は別の病院で働いていましたが、加納に惹かれ、診療所に勤務するようになりました。

加納は、過去に刑務所で勤務していたため、様々な人間関係に繋がっています。元受刑者で加納を「命の恩人」と慕う赤井忠司、そして北新宿署の刑事である安井剛太郎は、物語に重要な役割を果たす人物です。加納の後輩で、同じボクシング部だった宮坂病院の院長、宮坂も加納と複雑な関係を築いています。加納の過去を知る元刑務官である藤村義男が経営するスナック「ダブル・オー」は、物語の重要な舞台のひとつです。そこで働く川田まゆみも、物語に彩りを添えています。

物語の中心となるのは、加納が往診を通して遭遇する様々な事件と、それらを通して描かれる人間模様です。加納の故友であり、診療所の元医師であった小野寺伸介は、物語の冒頭で事故死しますが、回想シーンなどを通して物語に深く関わってきます。

キャスト：

加納裕基：柴田恭兵
小野寺篤子：松原千明
小野寺陽介：いしいすぐる
薬丸小百合：井上晴美
赤井忠司：ひかる一平
安井剛太郎：渡辺正行
宮坂：片岡弘貴
藤村義男：亀山忍
川田まゆみ：小林こずえ
小野寺伸介：森本レオ

スタッフ：

豪華なスタッフ陣が、このドラマを支えています。脚本には市川森一、羽田野直子らベテランが名を連ね、音楽は朝本千可が担当。その他、多くのスタッフが、このドラマの世界観を作り上げています。

見どころ：

柴田恭兵のハードボイルドな演技、医療ミステリーとしての緊迫感、そして人間ドラマの深み。これらの要素が複雑に絡み合い、『往診ドクター事件カルテ』は、多くの視聴者を魅了する作品となっています。往診医という、普段はあまりスポットライトを浴びない職業に焦点を当てた点も、このドラマの大きな魅力です。

まとめ：

『往診ドクター事件カルテ』は、柴田恭兵の新たな魅力と、医療ミステリー、そして人間ドラマが融合した、見応えのある作品です。1990年代の日本のテレビドラマを代表する作品の一つとして、高く評価されています。

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