待機的手術

待機的手術（Elective surgery）

待機的手術とは、医療上の緊急性を伴わないため、患者の状態や病院の都合に合わせて事前に予定される手術のことです。緊急手術のように即座に行う必要はなく、患者と医師が相談の上、最適な時期を選択できます。準待機的手術は、生命維持に必要な手術ですが、緊急度は高くありません。

日本では、手術の緊急度に応じて、緊急手術（24時間以内）、準緊急手術（数日以内）、待機的手術（1～2週間以内）と分類されるのが一般的です。

待機的手術の種類

多くの外科手術は待機的に行われます。例えば、以下のような手術が挙げられます。

鼠径ヘルニア手術
白内障手術
乳がんの乳房切除術
生体ドナーによる腎臓の提供

美容整形も待機的手術に含まれます。フェイスリフト、豊胸手術、脂肪吸引、乳房縮小などは、患者の外見を改善する目的で行われます。また、レーシック手術も、患者が期待される生活の質とリスクを比較検討した上で選択されることがあります。米国では、レーシック手術は人気の高い待機的手術となっています。

手術の準備

術前に炭水化物飲料を摂取することで、術後の回復が早まる可能性があります。

緊急度による分類

病状が悪化しているものの、緊急事態には至っていない場合は、準待機的手術となります。複数の病気を抱える患者の場合、準待機的手術は、緊急性の高い病気が治療され、患者の状態が安定するまで延期されることがあります。妊娠中の女性の場合、可能な限り、出産後まで全ての待機的・準待機的手術を延期するのが一般的です。

状況によっては、緊急に必要な手術が、より緊急を要する状況に対処するために、短期間延期されることがあります。また、救命処置と同時に緊急手術が行われる場合もあります。

悪性腫瘍の摘出手術は、通常、待機的手術として、数日または数週間以内に行われるように計画されます。準緊急手術は、通常、診断から48時間以内に行われます。緊急手術は、外科医を含む手術チームが確保でき次第、速やかに行われます。

多くの手術は、患者のニーズに応じて、待機的手術または緊急手術として実施されます。例えば、胆嚢疾患の急激な悪化の場合、緊急手術による胆嚢の摘出が必要となることがありますが、通常は事前に計画された待機的手術として行われます。虫垂切除は緊急手術に分類されますが、早期に診断された場合は、待機的手術として行える場合もあります。心疾患や脳卒中などの緊急事態においても、手術が必要となる場合とそうでない場合があります。

参考情報

患者の権利
セカンド・オピニオン

参考文献

* C. Parchment-Smith (2006). Essential Revision Notes for Intercollegiate MRCS: Bk. 1. Knutsford, Cheshire, UK: PasTest, LLC. pp. 439. ISBN 1-904627-36-6

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