律旋法

律旋法（りつせんぽう）は、日本の伝統音楽、特に雅楽において用いられる旋法の一つです。

構成音

律旋法は、以下の7つの音で構成されています。

宮（きゅう）
商（しょう）
嬰商（えいしょう）
角（かく）
徴（ち）
羽（う）
嬰羽（えいう）

特徴

律旋法の最も重要な特徴は、角（かく）の音が宮（きゅう）の音から完全4度上にあることです。この音程関係が、律旋法独特の響きを生み出しています。

雅楽における律旋法

雅楽においては、以下の3つの調子が律旋法に属します。

平調（ひょうちょう）
黄鐘調（おうじきちょう）
盤渉調（ばんしきちょう）

これらの調子は、それぞれ異なる音を宮（主音）としていますが、旋法自体は律旋法の構造に基づいています。

中国音楽との関連

律旋法は、中国の音楽における羽調（うちょう）に相当するとされています。これは、両者の旋法構造が類似していることを意味します。ただし、完全に同一というわけではなく、それぞれの音楽文化の中で独自の発展を遂げています。

呂旋法との比較

律旋法と対比される旋法として、呂旋法（りょせんぽう）があります。両者は、音階の構成や音程関係において異なり、それぞれ異なる音楽的特徴を持っています。雅楽においては、律旋法と呂旋法が組み合わされることで、多様な音楽表現が可能になっています。

参考文献

* 下田和男『楽典 理論と実際』共同音楽出版社、1981年、249-251頁。ISBN 4-87390-446-3。

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