後三年合戦金沢資料館

後三年合戦金沢資料館：奥羽地方の歴史を刻む

秋田県横手市金沢地区に位置する後三年合戦金沢資料館は、1083年から1089年にかけて奥羽地方を揺るがした後三年の役（後三年合戦）に関する歴史資料を展示する博物館です。1991年8月7日に開館し、秋田出身の個人からの土地寄付と横手市の建設費によって実現しました。三重塔を思わせる美しい建物は、地域に溶け込みながら、歴史への関心を高める役割を担っています。

館内の様子と貴重な資料

平屋建ての館内は、展示室と収蔵室を中心に構成されています。展示室には、後三年の役にまつわる数々の貴重な資料が展示されており、来館者は当時の状況を生き生きと体感できます。主な所蔵資料としては、以下のものが挙げられます。

考古資料

県指定有形文化財: 銅製経筒、骨壺、古鏡蓋付陶製経壺など、大鳥井山遺跡（国指定史跡）、金沢城跡、金沢柵から出土した品々が含まれ、当時の生活や文化を知る上で重要な手がかりとなっています。
かわらけ: 平安時代の土器片であり、当時の生活様式を垣間見ることができます。
輸入陶磁器: 外国との交易の様子を示す貴重な資料です。

絵巻

後三年合戦絵詞: 文人・戎谷南山が帝室博物館の所蔵品を模写したもので、合戦の様子を克明に描いた貴重な資料です。
改訂補遺奥州後三年合戦絵詞: 後三年合戦絵詞を補遺した資料です。
前九年合戦絵巻: 後三年の役の前哨戦と言える前九年合戦を描いた絵巻物です。これらの絵巻物は、合戦の状況や当時の社会情勢を理解する上で非常に重要な役割を果たしています。

工芸品

甲冑などの武具類: 佐竹義重に関連する武具などが展示されており、合戦で使用された武具の技術レベルや当時の軍事状況を推測する上で役立ちます。
社宝: 金澤八幡宮から寄託された神事用の宝物は、当時の信仰や儀式の様子を示す貴重な資料です。

その他、金沢柵の縄張図・実測図や大般若波羅蜜多経など、後三年の役だけでなく、周辺地域の古代史を理解する上で役立つ資料も数多く収蔵されています。

アクセスと開館情報

開館時間は9:00～17:00で、年末年始（12月29日～1月3日）と月曜日は休館日です。入館料は100円（中学生以下無料）で、入館券は横手市内の4つの観光文化施設で共通利用できます。アクセスは、秋田自動車道横手IC・横手北SICから約15分、JR奥羽本線後三年駅からタクシーで約15分、または横手バスターミナル・大曲バスターミナルから羽後交通バスを利用できます。

周辺情報

資料館周辺には、国道13号、金澤八幡宮（金沢柵跡、金沢公園）、金沢孔城館、道の駅美郷、平安の風わたる公園などがあり、歴史散策に最適な環境です。後三年合戦金沢資料館は、歴史愛好家のみならず、地域住民にとっても貴重な学習の場となっています。奥羽地方の歴史に興味のある方は、ぜひ訪れてみてください。

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