徐司馬

徐司馬（じょ しば、生年不詳 - 1393年）は、元末から明初の動乱期に活躍した軍人です。字は従政といい、本貫は揚州にありました。彼の生涯は、激動の時代を象徴するかのようです。

徐司馬は幼くして家族を失い、9歳の時に朱元璋に庇護されました。朱元璋は彼を養子として迎え入れ、朱姓を与え、「馬児」と呼んで大切に育てました。成長した徐司馬は、朱元璋の側近として仕え、その才能を発揮します。

朱元璋が勢力を拡大し、婺州を占領すると、徐司馬は総制に任じられ、常遇春を補佐して婺州の守備に当たりました。至正27年（1367年）には、金華衛指揮同知に任じられ、その軍事的な手腕が認められます。

洪武元年（1368年）、李文忠の北伐に従軍し、元の宗王慶生を捕らえるという大きな功績を挙げました。その後、杭州衛指揮使に抜擢され、間もなく都指揮使に進み、その地位を確固たるものにしました。この頃、徐司馬は朱元璋の命により、元の姓である徐姓に戻されています。

洪武9年（1376年）には、河南に移鎮し、開封府が北京とされると、その軍事を委ねられ、馮勝らと共に重用されました。洪武19年（1386年）には、南京に入朝し、中軍都督府僉事に抜擢され、明朝の中枢で活躍します。

洪武25年（1392年）、左副総兵として藍玉の下で建昌を攻撃し、越巂を討伐しました。しかし、洪武26年（1393年）1月、帰還途中の成都で病死してしまいます。その死後、藍玉の獄に連座し、彼の二人の息子も罪に問われるという悲劇的な結末を迎えました。

徐司馬の生涯は、波乱に満ちていました。幼少期に朱元璋に庇護され、養子として育てられたものの、晩年は藍玉の獄に連座するという不運に見舞われました。しかし、その軍事的な才能と功績は、明朝の建国と発展に大きく貢献したことは間違いありません。

参考文献として『明史』巻134 列伝第22 が挙げられます。

徐司馬は、激動の時代を生き抜いた武将として、その名が歴史に刻まれています。彼の生涯は、明朝初期の歴史を理解する上で、重要な鍵となるでしょう。

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