隴海線

隴海線

隴海線は、中国の江蘇省連雲港市から甘粛省蘭州市に至る、全長1,759kmに及ぶ中国国鉄の幹線鉄道路線です。華中地域を東西に貫く大動脈であり、太平洋沿岸の連雲港から大西洋沿岸のロッテルダムへと続く新ユーラシア・ランドブリッジの重要な一部を担っています。

歴史

その起源は1904年、京漢線鄭州駅から東の開封（汴）と西の洛陽を結ぶ汴洛鉄路として着工されたことに遡ります。1910年に開通後、路線は東西両方向へ延伸を続けました。東へは1916年に徐州、1925年に海州、1934年には連雲港まで到達。西へは1927年に霊宝、1935年に西安、1936年には宝鶏、そして1945年に天水まで開通しました。1950年4月には天水～蘭州間（天水線）の建設が始まり、日本人技術者の協力も得て1953年7月に全線が開通しました。

1955年以降は、鄭州、蘭州、西安、宝鶏などの主要ターミナルの改修工事が相次いで行われました。1956年から1970年にかけては、鄭州～宝鶏間の複線化工事が完了。三門峡ダム建設に伴う一部区間の経路変更も実施されました。1980年には宝鶏～商丘間も複線化され、現在では全線が複線となっています。徐州～蘭州間は電化されており、鄭西旅客専用線などが完成するまでは高速鉄道車両「和諧号」も投入されていました。

路線の建設は困難を極め、特に宝鶏～蘭州間では秦嶺山脈の六盤山を貫き、渭河峡谷の北岸に沿って敷設されたため、地質的にも地形的にも複雑な条件での工事となりました。多くの鉄橋やトンネルが建設されており、この区間の開通は中国西部地区の開発に大きな貢献を果たしました。

接続路線

主要な接続駅は以下の通りです。

徐州駅：京滬線
商丘駅：京九線
鄭州駅：京広線
洛陽東駅：焦柳線（焦枝線）
華山駅：南同蒲線
西安駅：西康線・寧西線・包西線・候西線
咸陽駅：咸銅線
宝鶏駅：宝成線・宝中線
蘭州駅：蘭新線・包蘭線・蘭青線

主要駅一覧

連雲港東 - 連雲港 - 東海県 - 新沂 - 邳州 - 徐州 - 夾河寨 - 黄口 - 碭山 - 虞城県 - 商丘 - 民権 - 蘭考 - 開封 - 中牟 - 鄭州 - 鞏義 - 偃師 - 洛陽東 - 洛陽 - 澠池 - 三門峡 - 三門峡西 - 霊宝 - 潼関 - 華山 - 渭南 - 新豊鎮 - 西安 - 咸陽 - 興平 - 武功 - 楊陵鎮 - 蔡家坡 - 宝鶏 - 天水 - 甘谷 - 武山 - 隴西 - 定西 - 蘭州

関連項目

鄭西旅客専用線
* 天水会

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