李宗仁

李宗仁の生涯と業績

李宗仁（り そうじん）は1890年8月13日に生まれ、1969年1月30日に亡くなった中華民国及び中華人民共和国における重要な軍事指導者と政治家です。彼は初代中華民国副総統を務め、国共内戦最終局面では代理総統の地位にも就きました。その軍歴は国民革命軍と中華民国国軍での一級上将に達し、多くの波乱を経て自らの名を中国の歴史に刻みました。

幼少期と軍人への道

李宗仁は広西省桂林府の地元教師の家に生まれ、若い頃から優れた教育を受けました。1908年に陸軍学校に入学し、1910年には中国同盟会に入会しました。1913年に南寧の将校講習所を卒業し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。特に旧広西派に属し、徐々に実力をつけていくことになります。

新広西派としての台頭

1920年、廣西の混乱を背景に李宗仁は自ら「広西自治軍第2路総司令」を名乗り、実質的に新広西派を形成します。この頃、彼は孫文の国民党に参加し、広西定桂軍を組織。1924年には旧広西派との対立を経て、広西の支配権を手に入れることに成功しました。これにより彼は新広西派の主要指導者の一人として名を馳せ、李宗仁を最高指導者と認識されるようになります。

北伐への参加

彼の軍事的な成功を背景に、李宗仁は北伐にも参加。1926年には国民革命軍第7軍を指揮し、北京政府に対して数々の勝利を収めます。また、上海クーデターでは蔣介石を支持し、国民党内での地位を高めました。しかし、蔣介石との対立が徐々に強まり、特に1929年には彼と対立し戦争を引き起こしました（蔣桂戦争）。一時的に敗北を喫しましたが、混乱の中で再び力を取り戻し、新広西派を再編成しました。

日中戦争での指揮

1937年に日中戦争が勃発すると、李宗仁は第5戦区の司令官に任じられ、日本軍と果敢に戦いました。この期間に、彼は数多くの戦略的勝利をおさめ、戦局を有利に導いたことで知られています。

政治家としての職務

日中戦争終了後、李宗仁は副総統に昇進し、1949年には蔣介石不在の中で代理総統として共産党との和平交渉を試みますが、最後には交渉が決裂し、状況は彼にとって不利に進展しました。中華人民共和国の成立を迎えた後は、香港を経てアメリカに亡命しました。

社会情勢を見守る中、李宗仁はかつての指導者としての影響力を維持しつつ、アメリカ国内で中国の未来についての意見を述べ続けました。彼は台湾をアメリカ合衆国51番目の州にすることを提案し、国民党の内部分裂を懸念しました。

晩年

晩年には中華人民共和国と接触を持ちながら、その後、妻の郭徳潔の診断を受け、1965年に帰国することを決断。彼女の死を見届けた後、李宗仁は1969年に北京で逝去し、八宝山革命公墓に埋葬されることとなります。享年80歳。彼の波乱万丈な人生は中華民国と中華人民共和国の歴史に深く刻まれています。

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