徐範錫

徐範錫（ソ・ボムソク）

徐範錫は、1902年10月19日に生まれ、1986年4月2日に亡くなった、日本統治下の朝鮮及び満洲国で活躍したジャーナリスト、独立運動家、政治家です。彼は生涯を通じて韓国の政治に深く関わり、第2代から第8代までの国会議員を務めました。
彼の号には「六峯」（ユクポン）や「白峰」（ペクポン）があり、父親の徐廷禧も制憲国会議員として知られています。

経歴の概要

徐範錫は京城府（現在のソウル）または黄海道甕津郡、全羅南道光州府（現・光州広域市）のいずれか、正確な出生地については不明ですが、彼の青年期は波乱に満ちたものでした。 彼は養正高等普通学校の在学中に、1919年に発生した三・一運動に参加し、国家独立に向けた思いを強めました。その後、1923年には北京大学で政治経済を学んで卒業し、1924年からは朝鮮日報で記者として勤務を始めました。しかし、1925年の赤旗示威事件に関与したことから、左翼と見なされ解任されたという波乱も経験しました。

その後、徐は時代日報や中外日報、東亜日報などの記者として活動を続け、特に1931年には万宝山事件を取材し、中国における朝鮮人農民と中国人の衝突を防ぐために尽力しました。
彼のキャリアは続き、特に1934年には満洲特需を利用して建設業者である協同公司を設立しました。また、同年に奉天の親日団体である興亜協会の発起人となり、それに付随する機関紙『在満朝鮮人通信』の編集長に就任しました。

政治活動と落選

解放後の政治活動では、1950年に第2代総選挙で当選し、以降も6期にわたり国会議員を務めましたが、1954年の第3代選挙では落選しました。
その間、彼は高麗鉱業公社理事や、大韓青年団安岩支団長、民主党の各種役職を歴任しました。また、1952年の釜山政治波動では、国際共産党のメンバーとの疑惑から投獄されるという苦境も経験しています。
政界での活動が続く中、1972年の10月維新以後に引退し、龍仁で農場を営むなど新たな人生を歩みました。

死去と評価

徐範錫は1986年に持病により高麗大学附属恵化病院で亡くなりました。 享年84歳の彼は、死後に親日人名辞典に掲載されるなど、彼の生涯や活動はさまざまな評価を受けています。また、朝鮮民族革命党からは「日帝の走狗」と呼ばれるなど、混沌とした評価と共に強い印象を後世に残しました。
自由党政権時には、対自由党闘争の中心的人物としても知られています。
彼の生涯は、激動の時代の中での維持と矛盾、国家と個人の立ち位置を問い続けた瞬間の集積と言えるでしょう。

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