臨川寺

臨川寺

臨川寺（りんせんじ）は、京都市右京区嵯峨天龍寺造路町に位置する臨済宗天龍寺派の寺院です。大本山天龍寺の別院であり、山号を霊亀山と称します。本尊には弥勒菩薩が祀られています。この寺は、天龍寺の開山でもある夢窓疎石を祀る開山堂があることで知られていますが、通常は非公開となっています。

歴史

臨川寺の地には、かつて亀山上皇の離宮「亀山殿」の別殿である「川端殿」がありました。この川端殿は、亀山法皇の皇女である憙子内親王（昭慶門院）が御所として使用していましたが、彼女の薨去後、その遺領は憙子内親王が養育した世良親王（後醍醐天皇の第二皇子）に与えられました。

禅宗に深く帰依した世良親王は、南禅寺の住持である仏徳禅師（元翁本元）を開山として招き、川端殿に禅寺を創建しようとしましたが、親王は21歳の若さで亡くなってしまいます。その翌年には仏徳禅師も示寂したため、後醍醐天皇が建武2年（1335年）に夢窓疎石を開山として迎え、川端殿を改めて臨川寺としました。翌年の延元元年（1336年）には、諸山に列せられるほどになりました。

夢窓疎石は天龍寺建立後、臨川寺に隠棲し、この寺で生涯を終えました。彼の遺骸は、臨川寺境内の開山堂（霊堂）の下に葬られており、その右方には世良親王も祀られています。

文和2年（1353年）には、足利尊氏によって准十刹の官刹となりましたが、永和3年（1377年）には管領の細川頼之の働きかけにより、足利義満によって京都五山に列せられました。しかし、天授5年/康暦元年（1379年）に起こった康暦の政変で細川頼之が失脚したため、十刹に格下げされました。その後、元中3年（1386年）に改めて京都十刹に列せられることになりました。

かつては、門前（渡月橋から芹川橋の間）に関門を設け、人々の通行を禁止するほど、国師入定の霊地として重要視されていました。現在も特別拝観を除き、通常は非公開となっています。

経済的には、和泉国塩穴庄、伊勢国富津御厨、常陸国佐都庄、同東岡田郷、同西岡田郷、嵯峨大井村などを寺領としていました。江戸時代には、江戸幕府から朱印状が与えられたほか、臨済宗の十刹に列せられました。

境内

臨川寺の境内には、以下の堂宇や庭園があります。

三会院（さんねいん） - 本堂。1921年（大正10年）に本瓦葺きに改装され、1956年（昭和31年）に解体修理されています。
開山堂（京都市指定有形文化財） - 三会院の北に接続しています。開山堂の床下にある蓮華石の下に夢窓疎石が埋葬されています。1956年（昭和31年）に解体修理されています。
世良親王の墓 - 後醍醐天皇の第二皇子。宮内庁の管理下にあります。
庭園「龍華三会の庭」 - 枯山水庭園。
書院 - 1956年（昭和31年）に解体修理されています。
客殿（京都市指定有形文化財）
中門（京都市指定有形文化財） - 扁額「三會院」は足利義満の筆。
山門

文化財

臨川寺には、以下の京都市指定有形文化財があります。

開山堂
客殿
中門

所在地

京都府京都市右京区嵯峨天龍寺造路町33

脚注

[脚注]

関連項目

土岐頼遠
天龍寺文書
十刹

参考文献

嵯峨教育振興会編『嵯峨誌』嵯峨教育振興会、1999年。

外部リンク

京都市指定・登録文化財－建造物（右京区） - 京都市文化市民局文化芸術都市推進室文化財保護課

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