御坊町 (高松市)

御坊町（ごぼうまち）

香川県高松市の都心部に位置する町丁で、郵便番号は760-0044です。住居表示に関する法律に基づく正式な住居表示は実施されていません。

地理

高松市役所から南東へ約0.5キロメートル、高松市街地の中心部に位置しています。市道三番町築地線と市道今新町1号線に挟まれた東西に細長い形状をしており、これらの通りの北側と南側を町域としています。西側は高松中央商店街の一部である丸亀町に面した市道丸亀町栗林線、東側は県道160号高松港栗林公園線に面した塩屋町の建物裏手にあたります。町域を東西に貫く形で、ライオン通り、フェリー通りといった幹線道路や、ことでん琴平線の鉄道敷が交差しており、これらの横断によって町内の様子は大きく異なります。全域にわたって寺院の敷地が多くを占めるのが特徴ですが、市道三番町築地線沿いのことでん琴平線より西側は飲食店などが集まる繁華街を形成しています。一方、ことでん琴平線より東側や市道今新町1号線沿いは比較的静かな住宅街となっています。町内に駅はありませんが、ことでん琴平線の片原町駅と瓦町駅のほぼ中間地点に位置しています。

歴史

町名の「御坊町」は、この地域に多くの寺院が集まっていたこと、特に町内にある興正寺別院が「御坊」と呼ばれ親しまれていたことに由来するとされています。高松城下の町として古くから存在しており、寛永17年（1640年）に作成された高松城下絵図には既にその名が確認できます。城下町時代から多くの寺院が立ち並び、興正寺別院のほか、勝法寺、無量寿院、徳法寺、西福寺、願船寺などがありました。これらの寺院群は、高松城の南方面における重要な防衛線としての役割も担っていたと言われています。

明治時代に入ると、町内には私立の協校が一時的に開校されたり、勝法寺で徴兵検査が実施されたりしました。1890年（明治23年）には高松市が誕生し、御坊町もその一部となりました。その後、町域の再編が行われ、1906年（明治39年）には一部が今新町に編入されましたが、1915年（大正4年）には隣接していた七十間町の全域が御坊町に編入されています。七十間町は、江戸時代から続く町で、町名はその家数（70軒）に由来するとされ、御坊町の無量寿院がかつてこの町に属していたとする記録も見られます。

第二次世界大戦末期の1945年（昭和20年）7月4日未明、高松空襲により御坊町は町域のほぼ100%が焼失するという壊滅的な被害を受けました。これにより、江戸時代から続いてきた多くの寺院の伽藍も全て失われました。戦後、被害を受けた市街地の復興のため、土地区画整理事業が進められ、1946年（昭和21年）には御坊町の全域が区画整理の対象となりました。この事業では、町を横断する主要な通りである市道三番町築地線が拡幅され、ライオン通りと丸亀町を結ぶ新たな通りが整備されました。また、古くからの細い路地も拡幅され、フェリー通りとして生まれ変わりました。区画整理に伴う換地処分は段階的に行われ、これによって従前の地番が廃止され、新たな地番が割り当てられるとともに、町域も周囲の今新町、北古馬場町、南鍛冶屋町、福田町、塩屋町、野方町などとの間で一部の編入・分離が行われ、現在の町域が確定しました。

現況

2020年の国勢調査によると、人口は72人（男性36人、女性36人）、世帯数は29世帯です。面積は約2万9393平方メートルで、人口密度は約2450人/平方キロメートルとなっています。人口は1990年代後半から減少傾向にあります。町域全体が公立の小中学校区としては高松第一小学校・中学校（小中一貫校）に属しています。

都市計画法に基づく用途地域は全域が商業地域に指定されています。容積率は、ことでん琴平線の鉄道敷より西側が500%、東側が400%と定められており、都心部としての土地利用が図られています。

町内には、歴史で触れた寺院の多くが現在も点在しており、福善寺、圓重寺、安楽寺、極楽寺、本覚寺、願船寺、西福寺、無量寿院、徳法寺、興正寺別院、勝法寺などが主なものです。その他、四国会館、真宗大谷派四国教務所、高松第二保育園、御坊町小公園などの施設が立地しています。町を東西に貫くライオン通りは高松中央商店街の一部として賑わいを見せ、フェリー通りも交通量が多い通りです。

隣接町丁

北側で今新町、東側で塩屋町、南側で福田町および古馬場町、西側で丸亀町と接しています。

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