御峰城

御峰城（おみねじょう）について

御峰城は富山県南砺市土山にかつて存在した日本の山城で、別名で土山城とも呼ばれています。現在、城跡としては史跡として指定されてはいませんが、市が指定した史跡「土山御坊跡」と重なっているため、歴史的な価値は高いと言えます。さらに、この地域は「とやま城郭カードNo.49」にも紹介されており、観光資源としても重要視されています。

城の特徴

御峰城は、御峰山（標高261メートル）の頂上から麓の平坦地まで広がる山城で、周りは谷に囲まれています。城内には曲輪や土塁が残存し、北側には大きな堀切が確認されています。また、西側には「ゴモン」と呼ばれる地名があり、枡形虎口や堀切も見受けられます。この地域は、かつて一向一揆の重要な拠点であった土山御坊が存在したため、両者の遺跡は重複しています。

御坊跡と見なされる平坦地は東西約30メートル、南北約25メートルの範囲にわたります。また、その南側には本願寺の支援を受けた土豪、杉浦万兵衛の屋敷跡「万兵衛屋敷」があり、こちらは東西約70メートル、南北約60メートルの方形に形成されており、その周囲には空堀も存在していました。この他にも、「オチン（御亭）」と呼ばれる本願寺系の寺院特有の施設もこのエリア内に存在しています。

歴史的背景

御峰城の歴史は戦国時代にさかのぼります。文明年間初頭に、加賀二俣本泉寺の住持であった如乗の妻である勝如尼によって城の基礎が築かれました。その後、本願寺8世の四男である蓮誓がこの城に関与し、土山御坊は一向一揆の重要な拠点として名を馳せました。

文明13年（1481年）、越中福光城主の石黒光義が一向宗の勢力と戦ったものの失敗し、その影響で土山御坊は徐々に一向一揆信徒の支配下に取り込まれていくこととなります。明応3年（1494年）には、蓮誓が高木場御坊へ移転しました。

時は経て永正・大永年間（1504年 - 1527年）には「土山ノ古城」に向田孫右衛門尉が関与し、さらに永禄・天正年間（1558年 - 1591年）には神保氏の家臣、上田左近がここを守るべく集結しました。その後、天正12年（1584年）頃には佐々成政が前田利家に対する防衛拠点として御峰城を築き上げました。

戦局と城の運命

しかし、天正13年（1585年）に豊臣秀吉との戦局が変化した結果、御峰城は放棄されたと考えられています。この後の江戸時代は、御峰城は前田氏の領地となり、再び杉浦氏が居住し栄えました。

その後土山御坊は別の場所に移転し、「安養寺御坊」となるなど歴史の中で移り変わっていきました。戦火の影響を受けつつも、富山県高岡市へと移転し、勝興寺として繁栄したのです。

現在の姿

現在では、御峰城の当時の庭園が復元されています。この庭園は蓮如によって作られたと伝えられていますが、確証はありません。同様に本泉寺に存在する庭園と同時期に作られたとも言われています。また、観光客向けに碑と案内板が設置され、訪れる人々にその歴史を伝えています。

御峰城の遺構や周辺の歴史は、地域の文化と伝承の重要な一端を担っており、訪問者にその魅力を訴えかけています。

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