御由緒六家

御由緒六家について

御由緒六家（ごゆいしょろっけ）は、戦国時代の後北条氏に仕えた六人の重臣からなる集まりです。具体的には、大道寺氏、多目氏、荒木氏、山中氏、荒川氏、在竹氏の六家が含まれています。この六家の歴史は、伊勢新九郎入道宗瑞、後の北条早雲との関係に深く結びついています。

背景

『北条記』の6巻本によると、若き日の早雲は、この六人と密接な関係を持ち、彼らと共に関東へ修行に出かけることが決まりました。この七人は、出発にあたり「もし誰か一人が大名になれば、他の者はその家臣として力を合わせ、広い国を治めよう」という誓いを立てます。この誓いは、彼らの後の運命を決定付ける重要な出来事となりました。早雲が今川氏から駿河国の一部を賜ってからは、彼はこの六人を招き入れ、彼らは早雲の家老として伊豆国を治めることになります。

御由緒六家の名と彼らの役割

『小田原旧記』には、これら六家に松田氏を加えた「早雲寺殿七手御家老衆之家」、あるいは「御由緒家」との表現があります。また、この六家に関連する人名は『所領役帳』や『小田原旧記』にも登場しており、彼らが後北条氏の家臣団の要職に就いていたことが確認できる人物もいます。

具体的な家名と人物については、三浦浄心の『北条五代記』に次の名前があります：大道寺太郎、多米権兵衛、荒木兵庫頭、山中才四郎、荒川又次郎、在竹兵衛尉。このように、彼らの伝記や系譜は多数の歴史文献に記録されています。

研究者の考察

歴史学者である黒田基樹氏は、これらの家臣たちは早雲の家来として、彼が京都にいた頃からの付き合いがあり、早雲が下向する際に従った者たちであると考えています。しかし、彼が指摘する通り、通称については大道寺以外は資料と整合しないため、後世の創作と見なすのが妥当とされている点も興味深いです。

御由緒家一覧

1. 大道寺氏: 大道寺重時（法号：発専）はその代表的な人物で、その子孫には大道寺盛昌（氏康の三家老）や大道寺政繁もいます。
2. 多米氏: 多米氏は三河国八名郡出身で、武蔵国の豊顕寺はその菩提寺です。
3. 荒木氏: 荒木彦次郎が知られ、相州大山城の城主でした。
4. 山中氏: 山中主膳正をはじめとし、相州海老名で名を馳せました。
5. 荒川氏: 荒川豊前守が有名で、駿州泉頭城の城代を務めました。
6. 在竹氏: 彼も有名な家系で、在竹又太郎が記載されています。

結論

御由緒六家は戦国時代において、北条氏の勢力を支える重要な役割を果たしました。彼らの深い絆と約束は、戦国期の日本における家族や忠誠、権力の在り方を知る上で貴重な歴史的証言となっています。そのため、これらの家系や人物に対する研究は、今後より一層重要性を増すことでしょう。

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