復興号 (中国高速鉄道)

復興号（Fuxing Hao）

復興号は、中国鉄路高速（CR）が運用する高速鉄道車両です。中国国内で開発され、高速鉄道および旅客専用線で活躍しています。最高時速160kmから350kmで走行可能で、動力分散方式を採用した交流アルミ製列車です。将来的には、従来の「和諧号」や在来線旅客列車を置き換え、中国の高速鉄道網における主力車両となることが期待されています。

概要

「和諧号」は中国の高速鉄道網の発展に大きく貢献しましたが、各国の技術を取り入れた結果、ドアの位置が形式ごとに異なり、メンテナンスが煩雑になるという課題がありました。これらの問題を解決するため、中国標準動車組と呼ばれる標準規格の車両開発が進められ、試作車としてCRH-0207・CRH-0503が2015年に完成しました。

これらの試作車はCR400AF・CR400BFとして正式採用され、2017年 6月26日に「復興号」という愛称で運用を開始しました。既存の「和諧号」も順次、復興号の塗装に塗り替えられる予定です。この愛称は、習近平国家主席が提唱する「中華民族の偉大な復興」に由来しています。

CR400型の技術は、中国が100％の知的財産権を保有していると主張されています。また、2017年6月には、最高運転速度200km/hに対応した準高速型で、動力集中式の高速鉄道車両であるCR200JもCRシリーズに加わりました。

編成

復興号には、多様な編成が存在します。以下に主な編成をまとめます。

CR400AF

CR400AF: 最高速度350km/h対応、8両編成。青島四方機車車輛・青島四方ボンバルディア鉄路運輸設備が製造。
CR400AF-A: 16両編成。
CR400AF-B: 17両編成。京滬高速鉄道の速達タイプ。
CR400AF-C: ATO（自動列車運転装置）付きスマート仕様。京雄都市間鉄道向け。
CR400AF-G: 寒冷地仕様。
CR400AF-Z: スマート仕様。
CR400AF-AZ: 16両編成スマート仕様。
CR400AF-BZ: 17両編成スマート仕様。
CR400AF-S: 技術向上型スマート仕様。
CR400AF-AS: 16両編成技術向上型スマート仕様、優選一等席付き。
CR400AF-BS: 17両編成技術向上型スマート仕様、優選一等席付き。
CR400AF-AE: 16両編成香港向けスマート寝台仕様。北京西駅と上海虹橋駅から香港西九龍駅を結ぶ寝台列車向け。

CR400BF

CR400BF: 最高速度350km/h対応、8両編成。長春軌道客車・唐山軌道客車が製造。
CR400BF-A: 16両編成。
CR400BF-B: 17両編成。京滬高速鉄道の速達タイプ。
CR400BF-C: ATO付き寒冷地スマート仕様。京張都市間鉄道、呼張旅客専用線向け。
CR400BF-G: 寒冷地仕様。
CR400BF-Z: スマート仕様。
CR400BF-AZ: 16両編成スマート仕様。
CR400BF-BZ: 17両編成スマート仕様。
CR400BF-GZ: 寒冷地スマート仕様。
CR400BF-S: 技術向上型スマート仕様。
CR400BF-AS: 16両編成技術向上型スマート仕様、優選一等席付き。
CR400BF-BS: 17両編成技術向上型スマート仕様、優選一等席付き。
CR400BF-GS: 技術向上型と寒冷地スマート仕様。

CR300AF/BF

CR300AF: 最高速度250km/h対応、8両編成。青島四方機車車輛・青島四方ボンバルディア鉄路運輸設備が製造。
CR300BF: 最高速度250km/h対応、8両編成。長春軌道客車・唐山軌道客車が製造。

CR200J/CR160J

CR200J: 9両（短編成）または18両（長編成）。動力車は1両（短編成）または2両（長編成）。唐山軌道客車などが製造。
CR160J: 最高速度160km/h対応。緑色を基調とした塗装。

運用状況

2016年11月までに、中国標準動車組の量産先行車5編成が製造されました。2017年1月3日には製造許可が発給され、型番がCR400AF、CR400BFに定められました。

2017年2月25日からは、CR400AFとCR400BFが重連で北京西と広州南を結ぶ列車を担当し、7月3日から22日には京滬高速鉄道で試運転が行われました。2017年 6月26日に京滬高速鉄道で運用を開始し、その後、多くの路線で運用されています。

2017年7月27日には、京滬高速鉄道で時速350キロでの試運転を実施し、同年9月21日のダイヤ改正後、一部の列車が時速350キロで運行されるようになりました。

2018年4月10日には、北京と広州を結ぶ一部の列車が最高速度350キロで運用を開始し、京滬高速鉄道では8割以上の列車が「復興号」での運行となりました。

今後の展望

復興号は、中国の高速鉄道網における主力車両として、今後ますますその存在感を増していくでしょう。技術革新を重ね、より快適で安全な高速鉄道サービスの提供が期待されています。

ギャラリー

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脚注

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