復興局 (内務省)

復興局とは

復興局は、1923年（大正12年）の関東大震災からの復興事業を担うために設置された内務省の外局です。震災直後に設立された帝都復興院が、その役割を終えて廃止された後、その事業を引き継ぎました。

設立の背景

関東大震災は、東京と横浜を中心に甚大な被害をもたらしました。震災発生後、政府は迅速な復興のために帝都復興院を設置しましたが、より専門的かつ継続的な復興活動を行うために、帝都復興院を廃止し、後継組織として復興局が設立されました。復興局は、内務省の管轄下で、都市計画と復興事業を専門的に推進する役割を担いました。

主な事業内容

復興局の主な事業内容は、以下の通りです。

都市計画と都市計画事業の執行: 東京と横浜における都市計画を策定し、それを実行に移すことが主な任務でした。震災で破壊された都市の再建と、より機能的な都市構造の構築を目指しました。
市街地建築物法の施行: 震災後の復興にあたり、建築物の安全性を確保するための法律を施行しました。これにより、耐震性を考慮した建築物の建設が推進されました。
都市計画上の建築改善に関する事務: 都市計画に基づいた建築物の改善に関する様々な事務を担当しました。これにより、都市全体の景観や機能性が向上することを目指しました。

組織

復興局は、以下の組織で構成されていました。

長官: 局全体の責任者。
技監: 技術的な側面を統括する役職。
長官官房: 長官の補佐や局内の事務処理を担当。
整地部: 土地の整理や造成を担当。
土木部: 道路、橋梁などの土木工事を担当。
建築部: 建築物の設計や建設を担当。
経理部: 予算管理や会計を担当。

廃止と後継組織

復興局は、1930年（昭和5年）4月1日に廃止され、同日付で後継組織として復興事務局が設置されました。復興事務局の局長は、内務次官が兼務しました。復興事務局もまた、1932年（昭和7年）4月1日に廃止され、復興事業は他の組織へと引き継がれていきました。

歴代長官・局長

復興局長官

直木倫太郎: 1924年2月25日 - 1925年9月16日
清野長太郎: 1925年9月16日 - 1926年9月15日
（取扱）川崎卓吉: 1926年9月15日 - 1926年9月28日
堀切善次郎: 1926年9月28日 - 1929年5月3日
（取扱）潮恵之輔: 1929年5月3日 - 1929年7月6日
中川望: 1929年7月6日 - 1930年3月31日

復興事務局長
潮恵之輔（内務次官兼任）: 1930年4月1日 - 1931年8月8日
次田大三郎（内務次官兼任）: 1931年8月8日 - 1931年12月13日
河原田稼吉（内務次官兼任）: 1931年12月13日 - 1932年4月1日

参考文献

秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。

関連項目

帝都復興院
復興局疑獄事件
* 復興庁

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