潮恵之輔

潮 恵之輔の生涯と業績

潮恵之輔は1881年8月11日、生まれ故郷の島根県美濃郡横田村にて綿職人の家に二男として生まれました。彼は郁文館中学校から一高を経て、1907年に東京帝国大学法科大学を卒業。その後、内務省に入省し、行政法の専門家として数々の重要な役職を歴任しました。彼のキャリアは、内務官僚としての卓越した能力を証明するものでした。

1946年には内務次官として田中義一内閣や第2次若槻内閣に仕官し、その後の1931年には貴族院勅選議員に任命されました。1932年には再び内務次官を務め、文官任用令の改正や選挙の粛正運動に関与しました。この頃には、政治的背景を超えた中立的な立場を意思表示していました。

1936年、広田弘毅内閣において内務大臣及び文部大臣に就任した際、彼の任命は軍部から一定の距離を置くためのものでしたが、内務省内の革新官僚たちの反発も受け、報復として報道された有力官僚が休職に追い込まれる事態となりました。内務交渉では、共に政務次官に鍋島直縄の起用を決定し、これが党派色を排除するための一環であったとされています。

その後、1938年には枢密顧問官に転じ、1946年には清水澄の後任として枢密院副議長となりました。しかし、戦後の日本国憲法施行に伴い、この枢密院自体が廃止され、潮恵之輔も公職追放によって政治の第一線からは退くことになりました。1955年1月9日、彼は亡くなり、東京港区麻布十番の善福寺に埋葬されています。

潮恵之輔の政治家としてのキャリアは、彼の持つ専門知識とその活用によって多くの政策に影響を与え、日本の近代化に寄与しました。彼は、多くの栄典にも恵まれ、従七位から正二位に至る位階や、多数の勲章も授与されています。また、彼の家族についても触れておくと、妻は益田市出身の潮実根で、兄は司法官の潮恒太郎、そして彼の曽祖父の弟が評論家の潮匡人ということでも知られています。

このように、潮恵之輔は日本の内務官僚としてだけでなく、政治的な側面からも日本の歴史に名を刻んだ重要な人物であると言えます。

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