徳周

徳周（とくしゅう）

徳周は高麗の建国者である王建の母方の曽祖母として知られています。彼女の家族は、中国陝西省京兆郡に由来し、歴史的な人物とのつながりが強く、特に高麗王朝の形成に大きな影響を与えています。

家族背景

徳周の父は伊帝建で、母方では康叔の子孫にあたります。康叔は陝西省出身の人物で、彼の66代子孫の康虎景のもとで生まれた康忠は、伊帝建を伴侶に持つこととなります。康忠は、康宝育と共に子をもうけ、その子が康辰義となります。この康辰義といった血筋が高麗の初代王、王建へと繋がり、歴史に名を残すことになります。

物語の転換点

王建は父を捜索するために唐へと渡る旅をすることになります。その途中で黄海を渡る際に出会ったのが、西海龍王の娘である龍女です。彼女との間に生まれた息子王隆が、後に高麗の初代王となる運命を背負うことになります。このように、徳周を通じて見える家族は、多様なバックグラウンドを持つ人物が結びつき、歴史を形作っていったことを示しています。

家族の影響

八幡和郎は、徳周が結婚した康宝育との関係について、「宝育は彼の兄の娘である徳周を娶ってその娘の辰義をもうけましたが、辰義は素性の知れない中国人の商人と結びつき、作帝建（懿祖）を誕生させました」と記しています。これは、徳周の血筋が中国と密接に交わっていたことを示唆しており、朝鮮の歴史においても重要性を持っています。

徳周の歴史的重要性

徳周の存在は、高麗の歴史の中で他文化との融合を象徴しています。彼女の血筋を通じて、高麗王室がどのようにして中国との関係を築いていったのか、その一端を知る手がかりとなります。家族関係を通じて、徳周の影響力は後の世代にも受け継がれていくことになります。

参考文献

• - 高雲基『韓国の中世における女性: 13世紀の文献資料を中心に』慶應義塾大学日吉紀要刊行委員会、2001年12月。

徳周は高麗の歴史だけでなく、文化的な交流の形成にも寄与し、その家族の物語は時代を超えて語り継がれています。

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