康忠

康忠の伝説

康忠（カン・チュン）は、高麗の初代王である王建の6代前の先祖に当たります。彼の物語は、家族の歴史と神話が交錯する興味深い伝説に基づいています。康忠の父である康虎景は、中国陝西省京兆郡にルーツを持ち、次男であり、67代子孫にあたります。

康虎景と山神の出会い

康虎景は、平那山に狩りに行った際、山神と遭遇します。山神は彼に対し、「結婚し、共に神権政治を治めよう」と提案します。康虎景は既に妻がいましたが、その妻のことが忘れられず、夢の中で訪ねます。夢の中で妻が身ごもったことに気づき、ここから康忠が生まれます。

八元の予言

康忠が生まれると、ある日、新羅の風水師である八元（パルウォン）が訪れ、未来の予言をします。「松嶽山に松を植え、岩肌を隠せば、三韓を統一する人物が生まれるだろう」と言い残し、康忠と共に松を植えることになります。その結果、岩を覆って松嶽山が形成され、やがて孫にあたる王建が誕生します。

王建の系譜

康忠は、後に伊帝建と康宝育という二人の子供を授かります。康宝育は、姪の徳周と結婚し、娘の康辰義をもうけます。この康辰義が、後に中国人と結婚し、王建を生むことになります。王建の父である中国人は、唐の皇族であり、系図の中では粛宗や宣宗として記載されています。

王建と西海龍王の娘

王建は、父を探して唐へ行く途中、黄海を渡っている際に、南海の龍王の娘、龍女（後に元昌王后）と出会います。龍女は、中国平州の出身とされ、彼女との結婚によって王建は新たな地位を得ることになります。二人の間には息子の王隆が誕生し、この王隆がさらに高麗の初代王王建へと繋がります。

康忠の影響と文化

康忠の伝説は、彼の生涯が遺した影響を物語っています。彼の家系は唐の皇族に端を発し、彼自身もまた高麗王朝の成立に寄与する重要な人物として位置づけられています。加えて、韓流ドラマ『太祖王建』では、王建が「先祖は彼とともに唐から新羅に渡ってきた」というセリフがあり、文化的にもその影響が色濃く残っています。

家族の系譜

康忠の家族構成としては、父は康虎景であり、子供には伊帝建と康宝育がいます。また、孫には康辰義がいます。彼らの系譜は、高麗王朝の歴史において重要な役割を果たしました。

家族の物語は、康忠自身の神話的存在と相まって、高麗の建国に至るまでの物語を色濃く刻みつけています。彼の伝説は、単なる家族の歴史ではなく、高麗王朝の精神的支柱でもあったのです。

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