德勝龍誠

德勝龍 誠のプロフィールと大相撲人生

德勝龍 誠（とくしょうりゅう まこと）は1986年8月22日、奈良県奈良市に生まれた元大相撲力士である。本名は青木 誠（あおき まこと）。彼は木瀬部屋に所属し、最高位は西前頭2枚目であり、特に2020年1月場所においては幕内最高優勝を果たし、奈良県出身の力士としては98年ぶりの快挙となった。

幼少期と成長

德勝龍は高市郡高取町で生まれ、小学1年生まで当地で過ごした後、橿原市に移住した。彼は幼少期から運動神経が抜群で、小学校では特注の幼稚園の制服を着るほどの大柄だった。3歳から柔道を始め、小学4年生からは相撲に転向。野球にも取り組んでいたが、最終的に相撲に専念することとなった。

中学時代に右門道場での厳しい稽古に励む中、副会長を務めながらも相撲大会での成功を収めた。特に中学3年時には澤井豪太郎（後の豪栄道）を破るなど、その才能を示した。明徳義塾高校進学後も相撲に専念し、インターハイでの団体優勝や国体でも成果を残した。

大学と相撲の道

近畿大学の経営学部に進学し、学生相撲大会で活躍したものの、学生横綱には至らなかった。大学時代、監督の伊東勝人からの指導を受け、相撲の幅を広げる重要な経験を得る。2009年、大学4年生のときに木瀬部屋に入門し、初土俵を踏む。

デビュー当初は苦労も多かったが、各段で優勝を果たし、順調に番付を上げていく。しかし、2010年に部屋が閉鎖され、北の湖部屋に移籍。そこで本名から四股名「德勝龍」に改名し、新たな一歩を踏み出した。

成功と挫折

2012年、十両に昇進し、その後も番付を上げていく中で数度負け越しを経験。それでも着実に力をつけ、2013年には新入幕を果たす。この頃より彼の取り口は突き押しから四つ相撲へと変化し、特に左四つでの寄りを得意とするようになる。

幕内最高優勝の栄光

2020年1月場所で、德勝龍は初めて幕尻からの優勝を果たし、大相撲界に名を刻んだ。この優勝は幕尻力士としては史上初であり、奈良県出身としても1922年（大正11年）以来の快挙であった。インタビューでは一時は喜びを感じながらも、戸惑いを隠せず、感謝の気持ちも示した。

優勝後の3月場所では、プレッシャーに苦しみ4勝11敗の成績に終わり、そこから十両に降格。しかし、2021年1月場所では10連敗を喫し、その後も不振が続いた。十両に再降格と苦しい時期が続き、2023年1月場所ではついに幕下に陥落。

引退と新たな道

2023年9月12日、德勝龍は現役引退を発表し、その後年寄「千田川」を襲名。引退会見では師匠である木瀬親方への感謝の想いを語り、相撲界での新たな役割を担うこととなる。

取り口とスタイル

德勝龍の基本的な取り口は突き押しだが、変則的な取り方や四つ相撲も得意としていた。特に肘を使った変則的小手投げ「青木スペシャル」は彼の個性を際立たせていた。相撲に対する真摯な姿勢が評価され、高い人気を誇っていた。

エピソードと人間性

彼の人生には多くの感動的なエピソードが埋もれている。引退後の活動にも期待が寄せられ、彼の情熱と人柄はファンに強く愛されている。現在、相撲界での新たなスタートを切った德勝龍の今後に目が離せない。

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