心電図モニタ

心電図モニタ（ECG Monitors）

心電図モニタは、心臓の活動を連続的に測定し、その波形をモニタ画面に表示する医療機器です。この装置は、胸部や手足に電極を取り付けることで、心臓からの電気信号を捕らえます。測定された波形データは「モニター心電図」と呼ばれ、リアルタイムで表示されるだけでなく、各種メモリに保存したり、他のデバイスに転送したりすることも可能です。また、心電図モニタは、パルスオキシメータや血圧計、体温計といった他の生体小型モニタと統合されることが多く、これにより生体情報モニタやベッドサイドモニタとしても機能します。

使い方と種類

心電図モニタは主に、セントラルモニタとベッドサイドモニタの2つの利用形態があります。セントラルモニタは、心電図データを有線または無線でナースステーションに送信し、集中監視を行います。一方、ベッドサイドモニタは個別の患者の近くに置かれ、患者のデータを直接表示します。このようなモニタは、心拍数や血圧、呼吸数といった他の生体データの計測も行います。

最近では、無線で心電図を送信する技術が進化しており、心電図テレメトリーと呼ばれる小型デバイスが登場しています。これにより、患者が医療機関外でもリアルタイムでモニタリング可能になる新たなアプリケーションが開発されています。

生体情報モニタとの関係

生体情報モニタは、ICUやCCU、救急病棟などで重篤な状態にある患者を対象に、心電図のみならず様々な生理的データを同時に管理するための装置です。これにより、患者の病状が急変するリスクがある場合でも、迅速な対応が可能になります。生体情報モニタは、個別の使い方として一人用モニタと、複数人のデータを処理できる多人数用モニタに分けることができます。主にモニタリングされるパラメータには、心電図や血圧、呼吸数、体温などが含まれ、不整脈や血中酸素飽和度、さらには様々なガス分圧を監視するシステムもあることが特徴です。

実際の利用例

心電図モニタは、特定の症状を持つ患者の状態を把握するために重要な役割を果たします。具体的には、ショック症状を示す患者や、失神・動悸などを訴える患者に対して使用され、急性心筋梗塞や不安定狭心症などの患者における経過観察も含まれます。このような用途において、心電図モニタは致命的な不整脈の診断及び治療の流れの監視、心房細動などの状況評価、狭心症や心筋梗塞の経過観察に役立っています。

主要な製造業者

心電図モニタの主要な製造業者には、日本のフクダ電子や日本光電、オムロン ヘルスケアが存在します。これらの企業は、高度な医療技術の開発を通じて、医療機器の進歩に貢献しています。

参考文献

• - 久保田博南著『いのちを救う先端技術』PHP新書 ISBN 4569701159

心電図モニタは、現代の医療において極めて重要な役割を担っており、患者の生命を守るための不可欠なツールと言えるでしょう。

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