忍頂寺

忍頂寺（寿命院）

忍頂寺（にんちょうじ）は、大阪府茨木市大字忍頂寺にある高野山真言宗の寺院です。山号を賀峰山（かぶさん）と称し、現在は寿命院（じゅみょういん）とも呼ばれています。

歴史

寺伝によれば、聖武天皇の時代（724年 - 748年）に行基によって創建されたと伝えられています。一説には、開成王子が創建したともいわれますが、有力なのは勝尾寺三世証道上人の弟子である三澄が、国家鎮護のため851年（仁寿元年）に開基したという説です。

創建当時は「神岑山寺」（かぶさんじ）と称し、860年（貞観2年）には清和天皇より忍頂寺の寺号を贈られ、勅願寺となりました。鎌倉時代には仁和寺の支配を受け、南北朝時代には本堂が戦火で焼失。永禄の頃には織田信長の保護を受けましたが、キリスト教伝播の影響で寺院は焼かれ、キリシタン大名の高山右近に寺領を没収されました。

寛永年間（1624年 - 1643年）に石橋院榮尊が中興を図り、江戸幕府旗本で名町奉行として知られた小田切直年の支援もありましたが、再び荒廃しました。全盛期には23もの寺坊を有し、勝尾寺や神峯山寺などと並び山岳修行（修験道場）の聖地として知られる大寺院でしたが、盛衰を繰り返し、支院の1つであった寿命院が現在の忍頂寺として残っています。

伽藍

本堂：薬師如来を本尊としています。
鐘楼：梵鐘には「寛文四年三月三日鋳鐘」の銘があります。
観音堂：聖観音を本尊としています。
水子・子育地蔵尊
小織姫明神：鐘楼の脇にあり、石碑のような姿をしています。

文化財

五輪塔：花崗岩製で、総高2.3m。境内の奥にあり、1978年（昭和53年）8月1日に大阪府指定有形文化財に指定されました。「元亨辛酉七月十五日金剛佛子定盛」の銘があり、元亨元年（1321年）の建立と判明します。

札所

摂津国三十三ヶ所第23番：観音堂の本尊である聖観音が札所本尊となっています。

アクセス

JR京都線 茨木駅から阪急バス忍頂寺行に乗車（毎時1本運行）、「忍頂寺小学校前」バス停下車、林道竜王山線を徒歩。
大阪府道1号茨木摂津線 - 忍頂寺交差点から少し茨木方向へ進み、忍頂寺小学校前バス停付近で林道竜王山線へ進みます。

隣接して浄福寺があります。

周辺情報

竜王山（忍頂寺山）：大阪みどりの百選に選出されています。
八所神社：本堂の東に位置する鎮守社です。
神峯山寺（大阪府高槻市）

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