志摩清直

志摩 清直の生涯と功績

志摩清直（しま きよなお）は、1858年7月7日、現在の宮崎県都城市で生まれました。彼は日本の海軍軍人として、最終的には海軍大尉に昇進しました。出身家系は士族で、父の清雄は宮崎県の士族でした。志摩には二人の兄弟がいて、弟の山地通信は陸軍で将校としての経歴を持ち、またもう一人の弟である志摩猛は戦艦「霧島」の艦長を務めた海軍少将です。

志摩は9歳の時に小姓として出仕し、早くからその道に進むことで、海軍に関心を持つことになりました。しかし、彼の本格的な海軍のキャリアは、海兵士官学校予科に在籍中に廃校となった後、1877年に海軍兵学校に転入したことから始まります。1880年、志摩は「龍驤」に乗組み、豪州への航海の実地訓練を受け、1881年に少尉補となりました。彼は海軍兵学校の第8期生であり、同級生には八代六郎がいました。

1885年には海軍少尉として任官し、「摂津艦」の分隊士を務め、次に兵学校教官として砲術を担当しました。そして、彼は大尉に昇進し、「武蔵」や「高千穂」の分隊長を歴任します。特に、英国で建造された「千代田」の回航員としての役割も果たしました。

帰国後は兵学校の監事を経て海軍大学校の甲号学生（5期生）となり、同期には黒井悌次郎や江頭安太郎がいました。卒業後、砲術練習所での訓練中に1894年6月、運送船「近江丸」の監督官に命じられました。その後、彼は「松島」の分隊長に補せられました。「松島」は当時、清国北洋艦隊の強大な艦艇に対抗するため、期待を集めていた艦であり、日清戦争での連合艦隊旗艦として大きな役割を果たしました。

志摩は砲術専攻士官として豊富な経験を持ち、海軍大射的会で1等の成績を収めるなどの実績を持つ将士でした。日清戦争中には威衛海攻撃などの戦闘に参加し、特に黄海の海戦では「松島」の下甲板で前部両舷砲塔の指揮を執っていました。その戦闘中、敵からの砲弾が命中し、彼は戦死しました。彼の最後の行動は、帽子を振りながら万歳を叫びつつ海中に消えたことでした。

志摩は出征の際に、当時4歳の長男に対して「万一の場合には清英に父の志を継がせて海軍に従事させよ」と書き残しました。この長男は後に海軍兵学校39期生となり、海軍中将としてレイテ沖海戦に参加するという運命をたどります。

栄典

志摩清直はその功績により、次のような栄典を受けました。

• - 1885年9月16日 正八位
• - 1890年1月17日 従七位
• - 1891年12月16日 正七位
• - 1898年10月25日 贈正五位

彼の生涯は、日本の海軍史において重要な一ページを刻んでおり、その勇気ある行動は今もなお多くの人々に語り継がれています。

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