志文駅

志文駅

北海道岩見沢市志文本町に位置する志文駅は、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線が通る駅です。かつては万字線の起点駅として、周辺地域の産業や人々の往来を支える要衝でしたが、万字線廃止後は室蘭本線の単独駅となりました。事務管理コードは▲130337、電報略号はフンが使用されています。

歴史

志文駅の歴史は古く、明治35年（1902年）8月1日に北海道炭礦鉄道の貨物取扱駅としてその歩みを始めました。翌明治36年（1903年）4月21日には旅客と荷物の取扱いも開始され、地域における駅の役割が広がります。明治39年（1906年）10月1日には、北海道炭礦鉄道の鉄道路線が国有化されたことに伴い、官設鉄道の駅となりました。

大正時代に入ると、万字軽便線の建設が進み、大正3年（1914年）11月11日には当駅から万字炭山までの全線が開業し、志文駅は万字線の分岐駅となります。その後、大正11年（1922年）9月2日に万字軽便線は万字線と名称を改めました。

昭和36年（1961年）10月1日には、岩見沢駅と志文駅間の線路容量を増やすため、新たに別線が増設されて使用が開始されました。しかし、時代と共に貨物輸送の形態が変化し、昭和37年（1962年）1月15日には貨物取扱が廃止されました。その後も合理化が進み、昭和55年（1980年）5月15日には業務委託駅となり、昭和59年（1984年）2月1日には荷物取扱が廃止、同年3月31日には駅員が配置されない無人駅となりました。

万字線は昭和60年（1985年）4月1日に全線が廃止され、志文駅はその歴史的な役割の一つを終えました。国鉄の分割民営化により、昭和62年（1987年）4月1日には北海道旅客鉄道（JR北海道）に継承されました。現在の駅舎は、昭和63年（1988年）に竣工したものです。

駅構造

かつては島式ホーム2面4線を持つ構造でしたが、万字線の廃止に伴って外側の2線が撤去され、現在の相対式ホーム2面2線の地上駅となりました。万字線が運用されていた頃、万字線のりばは1番ホームであり、現在の駅舎がある位置に存在しました。現在の1番ホームと2番ホームは、万字線廃止前はそれぞれ2番ホーム、3番ホームとして使用されていました。

駅舎は比較的簡便な構造であり、岩見沢駅が管理する無人駅です。

駅名の由来

駅名は所在地の地名「志文」に由来します。この地名は、アイヌ語の「スプンペッ（supun-pet）」から転じたとされており、「ウグイの・川」という意味を持っています。

駅周辺

志文駅周辺の景観は、線路を挟んで東西で大きく異なります。駅舎がある東側は、住宅地や工業団地として開発が進んでいます。一方、線路の西側は、広大な田園地帯が広がっており、対照的な風景を見ることができます。

近隣には、北海道道1139号栗沢工業団地大和線が通り、岩見沢警察署志文駐在所、岩見沢志文郵便局、岩見沢市立志文小学校などの施設があります。また、北海道中央バスの「志文市街」停留所も利用可能です。

駅名にまつわるエピソード

志文駅は、有人駅だった昭和57年（1982年）頃から翌年にかけて、特別な注目を集めました。その理由は、「志文（しぶん）」という駅名が、「大志ある若者よ、文は人なり」ということわざに通じるとして、縁起が良いとされたためです。このことが鉄道ファンや特に受験生の間で話題となり、志文駅の入場券や乗車券を購入する人が全国から相次ぎました。

通常、月に30～40枚程度だった入場券の売上が、多い日には1日でその数を上回る盛況ぶりを見せました。万字線の廃線が近づくにつれて、この人気はさらに高まり、本州など遠方からも入場券の購入を希望する手紙が多数寄せられるほどでした。志文駅は、そのユニークな名前から、多くの人々に特別な思い出と希望を与えた駅としても知られています。

隣の駅

北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線
栗沢駅 - 志文駅 - 岩見沢駅 (A13)

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