栗沢駅

栗沢駅

北海道岩見沢市栗沢町北本町に位置する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅です。電報略号はクワと定められています。事務管理コードは▲130336が付与されています。

歴史

栗沢駅の起源は、1894年（明治27年）10月1日に北海道炭礦鉄道が栗山駅と岩見沢駅の間に開設した「清真布駅」（きよまっぷえき）に遡ります。開業当初は旅客・貨物を取り扱う一般駅でした。

1906年（明治39年）10月1日には、北海道炭礦鉄道の路線が国有化されたことに伴い、官設鉄道（後の日本国有鉄道）の駅となります。その後、1909年（明治42年）10月12日に線路名称が制定され、室蘭本線に組み入れられました。

駅舎は開業後、1916年（大正5年）3月と1937年（昭和12年）11月に改修が行われています。

現在の駅名である「栗沢駅」に改称されたのは、1949年（昭和24年）9月1日のことです。1955年（昭和30年）12月には利用者の利便性向上のため跨線橋が設置されました。

しかし、時代の変遷とともに駅の機能は縮小されていきます。1972年（昭和47年）7月1日に貨物取扱が廃止され、1980年（昭和55年）5月15日には業務委託化、さらに1982年（昭和57年）11月15日には駅員が配置されない駅となりました。1984年（昭和59年）2月1日には荷物取扱も廃止され、同年4月1日には完全に無人駅となりました。

国鉄分割民営化により、1987年（昭和62年）4月1日からJR北海道に運営が引き継がれます。無人化後、1989年（平成元年）11月には駅舎の改築が行われ、現在の建物となっています。

駅名の由来

現在の駅名「栗沢」は、駅が所在する地名（かつての町名）に由来します。この「栗沢」という地名については、アイヌ語の「ヤㇺオナイ（yam-o-nay）」、すなわち「栗・多い・川」を和訳したものであるという説と、単純にその地域に栗の木が多く自生していたことに由来する和名であるという二つの説が語られています。

一方、開業時の駅名であった「清真布（きよまっぷ）」は、当時の地名に由来するもので、こちらもアイヌ語の「キオマㇷ゚（ki-oma-p）」が語源とされています。この言葉は「茅が・ある・もの（川）」という意味を持ち、現在でも市街地の北側を流れる幌向川の支流名としてその名が残っています。

駅構造

現在の栗沢駅は、単式ホームが1面と線路が1線のみ配置された地上駅で、「棒線駅」と呼ばれています。ホームは線路の東側に位置しており、これはかつて1番線として使われていた場所にあたります。分岐器がないため、列車交換を行うことはできません。

かつて駅が開業し、貨客双方を扱っていた頃は、単式ホーム1面と島式ホーム1面を組み合わせた2面3線の構造を持つ、列車交換が可能な駅でした。駅舎側の単式ホームが上り用の1番線、その向かいにある島式ホームの駅舎側が下り用の2番線、島式ホームの反対側は上下列車共用の副本線である3番線として使用されていました。これに加えて、安全側線や駅舎南側への行き止まりの側線も存在しました。これらのホーム間は、単式ホームの中央部と島式ホームの北側を結ぶコの字型の跨線橋で連絡されていました。

列車交換設備の運用が廃止された後、副本線を含む複数の線路や島式ホームは撤去されました。しかし、かつて分岐器が設置されていた名残として、ホームに接する線路はその前後でわずかに湾曲しています。

駅舎は岩見沢駅によって管理されている無人駅で、構内の東側、現在の単式ホームの中央部に隣接して建っています。有人駅時代の建物から改築されており、出入口は自動ドアが設置されています。また、明かり取りの窓にはステンドグラス調のパネルがはめ込まれており、待合空間には小上がりのようなスペースも設けられています。待合所とは別の建物になりますが、同様にステンドグラス調パネルが設置されたトイレ棟も利用可能です。

なお、かつて使われていたコの字型の跨線橋は撤去されずに残され、現在では駅の裏側と駅前側を結ぶ地域住民のための連絡橋として活用されています。

駅周辺

駅周辺には、国道234号線をはじめ、北海道道374号栗沢停車場線、北海道道274号栗沢南幌線、北海道道728号中幌向栗沢線といった主要な道路が通っています。公共施設としては、岩見沢市役所栗沢支所（旧栗沢町役場）や岩見沢市立栗沢病院、岩見沢警察署栗沢駐在所などがあります。郵便局は栗沢郵便局と栗沢本町簡易郵便局の二カ所、金融機関としては空知信用金庫栗沢支店、農業協同組合のいわみざわ農業協同組合（JAいわみざわ）栗沢支所も近くにあります。教育機関としては、岩見沢市立栗沢中学校、岩見沢市立栗沢小学校があります。このほか、栗沢灌漑溝や、北海道中央バスの「栗沢駅前」停留所も利用可能です。

隣の駅

JR北海道室蘭本線では、栗沢駅の隣は岩見沢方面に向かって志文駅、追分方面に向かって栗丘駅となっています。

室蘭本線：栗丘駅 - 栗沢駅 - 志文駅

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