船岡駐屯地

船岡駐屯地の歴史と概要

宮城県柴田郡柴田町に所在する船岡駐屯地は、陸上自衛隊の駐屯地の一つであり、第2施設団などが駐屯しています。この地は、太平洋戦争中に大日本帝国海軍の火薬製造施設があった場所で、戦後は進駐軍の駐留を経て、陸上自衛隊の駐屯地となりました。その歴史は、戦前、戦中、戦後と激動の時代を反映しており、現在の駐屯地に至るまで様々な変遷を辿ってきました。

前史：海軍火薬廠から進駐軍キャンプへ

1937年、日中戦争の開戦に伴い、旧船岡村（現在の柴田町）に海軍の火薬製造施設が建設されました。この施設は「海軍火薬支廠」と名付けられ、1941年には「第一海軍火薬廠」に改組されました。しかし、終戦とともに米軍に接収され、1945年11月には閉鎖。その後、進駐軍のキャンプとして利用されました。1949年頃から進駐軍の規模が縮小し始めたため、跡地の利用が検討され、陸上自衛隊の誘致へと繋がっていきました。

警察予備隊から陸上自衛隊へ

1950年、警察予備隊が船岡駐屯地に移動し、1952年には保安隊の駐屯地となりました。1954年には陸上自衛隊に移管され、第6管区隊偵察中隊などが駐屯しました。その後、一時的に閉鎖されましたが、1960年に火薬廠跡地の一部に第103建設大隊が移駐し、船岡駐屯地は再開設されました。1963年には、陸上自衛隊の設備増強のため現在地に移転し、旧駐屯地跡地には仙台大学が設置されました。

現在の船岡駐屯地

現在の船岡駐屯地には、第2施設団本部をはじめ、第10施設群、第105施設直接支援大隊、船岡弾薬支処など、多くの部隊・機関が駐屯しています。特に第2施設団は、東北方面隊隷下の部隊として、地域防衛や災害派遣など、重要な役割を担っています。また、駐屯地内には、かつて温泉旅館があった湯場地区があり、現在も源泉から温泉が湧出しています。

ラグビーの盛んな駐屯地

船岡駐屯地は、陸上自衛隊の中でも有数のラグビーが盛んな駐屯地としても知られています。駐屯地のラグビー部「船岡自衛隊ワイルドボアーズ」は、トップイーストリーグDiv.2に所属し、活発な活動を行っています。

駐屯部隊・機関の詳細

東北方面隊隷下部隊
第2施設団
第2施設団本部
第2施設団本部付隊
第10施設群
第104施設器材隊
第301水際障害中隊
第312ダンプ車両中隊
東北方面後方支援隊
第105施設直接支援大隊：第2施設団を支援
陸上自衛隊東北補給処
船岡弾薬支処
東北方面会計隊
第416会計隊
東北方面システム通信群
第103基地システム通信大隊
第303基地システム通信中隊
船岡派遣隊
船岡駐屯地業務隊
防衛大臣直轄部隊
東北方面警務隊
第124地区警務隊
船岡連絡班
共同の機関
自衛隊宮城地方協力本部
船岡地区援護センター

アクセス

鉄道:
JR東日本東北本線 船岡駅より徒歩15分。
阿武隈急行阿武隈急行線 東船岡駅より徒歩20分。

周辺の重要施設

駐屯地の周辺には、以下の様な重要施設が存在します。

仙南変電所（超高圧変電所）（柴田郡柴田町）
玉浦変電所（二次変電所）（岩沼市）
JAXA角田宇宙センター（角田市）
山元対空通信所（亘理郡山元町）
南部山浄水場（白石市）
七ヶ宿ダム（刈田郡七ヶ宿町）
釜房ダム（柴田郡川崎町）

近隣の交通網

船岡駐屯地は、高速道路、一般道、鉄道、港湾、飛行場など、多様な交通網にアクセス可能です。

高速道路: 東北自動車道白石IC/村田IC
一般道: 国道4号、国道6号、国道113号、国道349号、宮城県道14号亘理大河原川崎線、宮城県道28号丸森柴田線、宮城県道50号白石柴田線、宮城県道110号大河原高倉線、宮城県道114号角田柴田線
鉄道: JR東日本東北本線 船岡駅、阿武隈急行線 東船岡駅
港湾: 仙台塩釜港（特定重要港湾）、石巻港（重要港湾）
* 飛行場: 仙台空港（第二種空港）、霞目飛行場（その他の飛行場）

まとめ

船岡駐屯地は、歴史的な背景を持ちながら、現在も陸上自衛隊の重要な拠点として機能しています。多くの部隊や機関が駐屯し、地域防衛や災害派遣、そしてラグビーを通じた地域交流にも貢献しています。この駐屯地の存在は、地域社会にとっても重要な意味を持つと言えるでしょう。

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