志津川湾

志津川湾の概要

志津川湾（しづがわわん）は、宮城県の北東岸に広がる美しい湾で、太平洋に面しています。この湾はリアス式海岸の特性を持ち、湾口の幅は約6.5 km、奥行きは約8 kmです。湾の最奥部には、南三陸町の中心である旧・志津川町や志津川漁港が位置しています。また、湾内の北東部には、支湾となる伊里前湾と伊里前漁港もあります。

湾内は多くの入り江や小規模な漁港が点在しており、その風景は多様性に富んでいます。特に養殖業が盛んで、カキ、ホヤ、ワカメ、ギンザケなど、様々な海の幸が養殖されています。志津川湾には大規模な河川の流入は見られないものの、伊里前川や八幡川、折立川といった中小河川が流れ込み、豊かな生態系を形成しています。

また、湾内には荒島、椿島、竹島、野島などの小島が点在し、それぞれが独自の自然環境を保持しています。これらの島々は、漁業や観光資源としても重要な役割を果たしています。

近年では、2011年に発生した東北地方太平洋沖地震の影響で、湾の沿岸にある集落や漁業施設に甚大な被害がもたらされました。しかし、その後の復興活動によって、少しずつ地域は回復してきています。

志津川湾は親潮、黒潮、津軽暖流という三つの海流の交差点に位置しており、冷たい海域と暖かい海域が共存しています。この特徴により、湾内には多様な植物が生息しており、特にコンブ目の褐藻が豊富です。これらの生態系により、553種類の動物がこの地を訪れます。冬の季節には、特にクロネズミガンやオジロワシ、オオワシといった野鳥の越冬地としても知られています。

さらに、2018年には志津川湾の海藻の藻場が日本初となるラムサール条約登録地となり、湿地の保護と生物多様性の重要性が認識されました。この登録には、地域住民の協力と保護活動が大きく寄与しています。これにより、志津川湾は生態系の保全の重要な場としても知名度が上がりました。

このように、志津川湾は美しい自然環境と豊かな資源を保有し、地域の漁業活動や観光の中心地として魅力的なスポットであり続けています。

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