志登支石墓群

志登支石墓群について

志登支石墓群（しとしせきぼぐん）は、福岡県糸島市の志登地区に存在する弥生時代の墓群で、1954年に国の史跡に指定されました。この遺跡は、糸島市で発見された数多くの文化財の中でも重要な位置を占めています。

地理的位置

本支石墓群は、糸島半島の付け根に広がる平野の一部、瑞梅寺川の左岸に位置しています。微高地に作られたこの墓群は、弥生時代前期から中期にかけてのものであると考えられています。

糸島市内には、志登支石墓群のほかにも新町遺跡や小田支石墓、三雲加賀石遺跡など多くの考古学的な遺跡が点在し、地域の歴史を物語っています。

糸島平野の歴史的背景

糸島平野は、古代中国の歴史書『魏志』に記載された「伊都国」が存在した場所とされており、多くの考古学者の注目を集めています。この地域から発掘された三雲遺跡の王墓では、中国製の前漢時代の銘鏡やガラス製の装飾品が出土しており、当時の王国の繁栄を示しています。

発掘調査と発見物

志登地域では、1953年に行われた発掘調査によって、10基の支石墓と8基の甕棺が確認されました。この中で、支石墓4基と甕棺墓8基が詳しく調査されています。支石墓は、上部に花崗岩や玄武岩を使用し、内部構造は石敷きや石囲い、土壙の3種類に分かれています。これらは南方式、つまり碁盤目の形状で構築されています。甕棺墓には、単式と合口式のものが存在します。

副葬品に関しては、出土があまり多くはないものの、6号と8号の支石墓からはそれぞれ4本と6本の磨製・打製の石鏃が見つかっています。これらの副葬品の量や種類からも、当時の埋葬の習慣が浮かび上がります。

まとめ

志登支石墓群は、福岡県糸島市の歴史を知る上で貴重な遺跡であり、地域の古代文化や埋葬制度についての理解を深める助けとなります。この寺院内に点在する支石墓は、昔の人々がどのようにして故人を偲んだのか、また社会構造がどうであったのかを知る手がかりとなるでしょう。今後の研究によって更なる発見が期待されます。

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