志賀義雄

志賀義雄の生涯

志賀義雄（しが よしお、1901年1月12日 - 1989年3月6日）は、日本の政治家および共産主義運動の活動家として知られています。彼は衆議院議員や日本共産党中央委員を務め、「日本共産党（日本のこえ）」の委員長にも就任した経歴を持っています。特に、ソ連共産党からの資金援助を受けて活動していたことが彼の政治的背景を色濃く反映しています。

経歴

志賀は福岡県門司市で生まれ、母方の祖父の養子となってから山口県萩町に移り、志賀姓を名乗るようになりました。旧制萩中学校から東京帝国大学文学部に進学し、在学中に日本共産党に入党しました。1928年には三・一五事件で検挙され、治安維持法によって懲役10年の判決を受け、長い獄中生活を余儀なくされました。しかし、志賀は獄中でも信念を曲げず共産主義者としての立場を維持しました。

戦後の活動

日本が第2次世界大戦で敗北した1945年には、すでに獄中にいましたが、同年10月に釈放されます。釈放後、志賀は日本共産党の中で党勢の拡大に努め、次第に重要な役割を果たしました。1946年の衆議院議員総選挙では、ついに共産党から国会議員に当選し、その後も選挙での成功を重ねます。

しかし、1950年には党内の方針の違いが浮き彫りとなり、志賀はコミンフォルム批判に対し、平和革命路線を支持する立場を取るようになりました。これによって公職追放の対象となり、議席を失います。その後、1955年には党路線の変化に伴って公然活動を再開したものの、彼の信念に対する支持基盤は弱まっていきました。

「日本のこえ」設立

1963年、部分的核実験停止条約の批准を巡る党内の対立が激化し、志賀は党の決定に反して賛成票を投じたため除名されました。その後、彼は同じく共産党を離れたメンバーとともに「日本共産党（日本のこえ）」を結成し、委員長に就任しました。この新派はソ連共産党の支持を受けましたが、志賀の支持勢力は次第に減少し、1967年の選挙では落選となります。

その後も志賀は活動を続けましたが、支持基盤の喪失とともに影響力は低下していきました。1989年に亡くなるまで、彼は共産主義運動における重要な人物であり続けました。

家族

家族にもユニークな経歴の持ち主がいます。妻の志賀多恵子は、教育を受けた女性であり、複雑な背景を持ちながら共産党の活動に身を投じた人物です。また、彼の妹も政治的な結びつきを持つ家庭に嫁ぎ、志賀家は政治だけではなく多方面に影響力を持っていたようです。

結論

志賀義雄の生涯は、激動の時代を背景にした共産主義活動の縮図とも言えます。彼の生涯を通じた信念と闘争は、日本の政治史における重要な要素であり、今なお語り継がれています。

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