志賀親度

志賀親度（しが ちかのり）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍した武将であり、大友氏の家臣として知られています。彼は、田原氏や詫摩氏と並び、大友三家と称された名門・志賀氏の一族、北志賀家の出身です。志賀氏は後に北志賀家と南志賀家に分かれ、それぞれが勢力を拡大しました。

親度の生涯は、大友家の内紛と外敵との戦いに翻弄されたものでした。天文19年（1550年）の二階崩れの変後、親度は父と共に大友義鎮（後の宗麟）の家督相続を支援し、その功績により若くして家督を譲られました。永禄年間から元亀年間にかけては、大友家の重要会議である加判衆の一員として活躍しました。

しかし、天正6年（1577年）に大友宗麟が家督を義統に譲ると、親度の運命は暗転します。義統との間に不和が生じ、父と共に殺害されそうになりますが、宗麟の仲介により辛うじて難を逃れます。この一件で義統に対する恨みを抱いた親度は、薩摩国の島津義久と内通していた入田義実の誘いに乗り、天正14年（1586年）の豊薩合戦で島津氏に味方することを決意します。この時、南志賀家の志賀鑑隆・鎮隆父子も親度と共に島津軍に加担しました。

しかし、北志賀家の惣領であった親度の子・親次は、父とは異なり、大友氏への忠義を貫き、居城である岡城を守り抜きました。この親次の忠義が、大友氏が滅亡を免れる一因となりました。豊薩合戦後、九州平定が成されると、島津氏に味方した南志賀家は滅亡し、親度もまた義統によって自害を命じられました。

義統との不仲の原因については、親度が義統の愛妾であった「一の対」という女性を奪い、囲っていたことが発覚し、蟄居を命じられたことが『上井覚兼日記』に記されています。この一件が、親度の義統に対する長年の恨みにつながったとされています。また、親度は熱心な仏教徒であり、キリスト教に反対していたため、子の親次がキリスト教の洗礼を受けることにも強く反対したとされています。このような宗教的な対立も、親度が義統や大友家に対して反発する要因になったと考えられています。

このように、志賀親度は、大友家臣としての活躍、主君との対立、そして島津氏への加担という波乱に満ちた生涯を送りました。彼の行動は、当時の戦国時代の複雑な人間関係や権力闘争を象徴するものと言えるでしょう。

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