忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻

映画『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻』の概要

『忠臣蔵 櫻花の巻・菊花の巻』は、1959年1月15日に公開された日本の映画で、製作・配給は東映が行いました。監督は松田定次が務め、183分の長編でワイドスクリーンでの上映が今回の作品の特徴です。この映画は、前年の大映による『忠臣蔵』が大ヒットしたことを受け、東映がこの作品の制作に力を入れました。

この映画は、皆が知る忠臣蔵の物語を新たな視点から映し出しており、東映の忠臣蔵映画として初めてのカラー作品であることも大きな特徴です。豪華なオールスターキャストが顔を揃えており、片岡千恵蔵や市川右太衛門を筆頭に、美空ひばり、中村錦之助、東千代之介、大友柳太朗、大川橋蔵といった名優たちが共演しています。

映画の構成

この映画は2つの巻から構成されており、「櫻花の巻」では赤穂城の明け渡しまでのストーリーが描かれています。一方、「菊花の巻」では、吉良邸への討ち入りに至るまでの緊迫した展開が楽しめます。各キャラクターの濃い演技が物語をより引き立て、観客に強い感情移入を促します。

配収は驚異の3億6122万円に達し、1958年度邦画配収ランキングでは第4位に輝くなど、商業的にも成功を収めました。

スタッフ陣

映画の制作には多くの才能あるスタッフが関わっています。監督の松田定次をはじめとして、製作は大川博、企画には坪井興、辻野公晴、玉木潤一郎、坂巻辰男が名を連ねています。脚本は比佐芳武が手掛け、撮影は川崎新太郎が担当。美術を鈴木孝俊が仕上げ、音楽は深井史郎によるもので、これらの専門家たちの協力により、映画全体が高いクオリティを保っています。

キャストについて

映画のキャストは、当時の東映のスターたちが登場し、観客に強い印象を与えました。主な出演者には、優れた演技力を持つ俳優たちが集結。彼らはそれぞれの役柄を通じて、忠臣蔵の物語の複雑な感情を的確に表現しています。

同時上映とネット配信

本作は『母しぐれ』と併映され、観客からは強い支持を受けました。また、近年では2022年12月にYouTube「東映時代劇YouTube」の企画の一環として、期間限定で本作の無料配信が行われ、大勢の視聴者に楽しんでもらうことができました。

参考文献と外部リンク

今作に関する詳細な資料として、谷川建司の著書『戦後忠臣蔵映画の全貌』も参考になります。また、映画のデータは日本映画データベースやallcinema、KINENOTEなどの外部リンクを通じて調べることが可能です。

本作は、忠臣蔵の壮大な物語を美しい映像と共に楽しめる映画であり、今後も多くの人々に愛され続けることでしょう。

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