怒和島

怒和島（ぬわじま）

怒和島は、愛媛県松山市の忽那諸島に位置する美しい島で、その自然や歴史的背景が魅力です。この島は松山市の北西部にあり、津和地島や倉橋島、二神島といった他の島々と海を挟んで対峙しています。全体が1つの山となっており、南北にやや細長い形状を持っているのが特徴です。

地理と自然

怒和島の周囲は約13.5キロメートル、面積は4.81平方キロメートルです。島の最高地点は205.7メートルで、周囲の美しい景観はハイキングや観賞に適しています。島の北には倉橋島、南には二神島が位置しており、特にクダコ水道は急流のため、釣りを楽しむ人々にとって絶好のスポットとなります。特に、クダコ島にはクダコ灯台があり、その周辺は潮流によって豊かな魚が集まる漁場として知られています。

歴史

怒和島の名前の由来は、鎌倉時代に遡ります。足利義満が安芸国厳島神社を訪れた際に目にした島々の記録に、怒和という名称が見られます。歴史的には、元々倉橋島から移住した人々によって形成された集落が起源とされています。

江戸時代初期には、寒風を避けるために住民が移り住み、二つの集落である上怒和と元怒和に分かれるようになりました。これにより、島内の社会構造が形成され、現在に至ります。

社会と人口

怒和島は、上怒和と元怒和の2つの集落に分かれています。2015年の国勢調査によると、島の人口は409人で、上怒和には175人、元怒和には234人が居住しています。2020年には、その数が278人に減少したものの、ここには人々が密接に暮らしており、地域のつながりが強いと言われています。なお、島内には小中学校が存在せず、教育機関は少なくなっています。

生活と産業

怒和島では農業と水産業が主な生活の基盤です。柑橘類、特に品種改良により人気が高まっている晩柑類やレモンの栽培が盛んに行われています。また、玉ねぎや他の野菜も生産されています。水産業に関しては、一本釣りが主流で、貝や海藻も豊富に採取されています。

交通

島の交通手段は限られており、元怒和港と上怒和港が唯一の外部との接続手段です。中島汽船の高速船およびフェリーが、愛媛県の高浜港や三津浜港からの航路を提供しています。強風時には接岸できないこともあるため、移動には注意が必要です。

結論

怒和島は、歴史や美しい自然環境、地元の人々の努力によって成り立っている魅力的な場所です。地域の文化や産業を支えている住民たちの生活様式を知ることで、もっと深くこの島を理解することができるでしょう。

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