恋の二十分

恋の二十分 (Twenty Minutes of Love)

『恋の二十分』は、1914年にキーストン社が製作した短編サイレント映画で、チャールズ・チャップリンが監督と主演を務めています。映画研究家ウノ・アスプランドが制定したフィルモグラフィーによれば、チャップリンの映画出演作としては11作目に当たります。

概要

この作品は、公園を舞台にした短編映画で、チャップリン演じるチャーリーのいたずら好き、女好き、そしてほのかなロマンスが凝縮された内容となっています。短い上映時間の中に、チャップリンの個性が光る作品と言えるでしょう。

チャップリンの初監督作品として記録されていますが、チャップリン自身は後年、自身の自伝で初監督作品を別の作品としています。しかし、1914年8月に異父兄シドニー・チャップリンに宛てた手紙には、この作品を自身の監督作として明確に区別する記述が見られます。

映画史家のデイヴィッド・ロビンソンは、チャップリンの記憶違いか、あるいは習作とみなして初監督作品から除外した可能性があると指摘しています。いずれにせよ、『恋の二十分』以降、チャップリンは自身の出演作を自ら監督するスタイルを確立していきます。

あらすじ

公園を散歩していたチャーリーは、スリから時計を盗みます。その後、スリや時計の持ち主との間で騒動が起こりますが、最終的に時計はチャーリーのガールフレンドの手に渡り、彼女は感激します。

製作の背景

『メーベルの身替り運転』の撮影後、チャップリンはセネットに対し、以前から希望していた脚本・監督をさせてほしいと申し出ました。セネットは当初ためらいましたが、監督作品が失敗した場合はチャップリンが1,500ドルの損失を補填するという条件で許可を出しました。

キャスト

チャールズ・チャップリン - スリ (チャーリー)
ミンタ・ダーフィ - 女
エドガー・ケネディ - 女の恋人
ゴードン・グリフィス - 少年
チェスター・コンクリン - 別のスリ
ジョゼフ・スウィッカード - 被害者
ハンク・マン - 寝ている男

参考文献

チャールズ・チャップリン『チャップリン自伝』中野好夫 訳、新潮社、1966年。
デイヴィッド・ロビンソン『チャップリン』 上、宮本高晴、高田恵子 訳、文藝春秋、1993年。
Okuda, Ted; Maska, David (2005). Charlie Chaplin at Keystone and Essanay: Dawn of the Tramp. iUniverse.
大野裕之『チャップリン・未公開NGフィルムの全貌』日本放送出版協会、2007年.

外部リンク

Twenty Minutes of Love - IMDb（英語）
Charlie Chaplin's "Twenty Minutes Of Love" - インターネット・アーカイブ (BGM有り)
Twenty Minutes of Love - YouTube - BGM有り

もう一度検索