恒州 (河北省)

恒州（こうしゅう）とは

恒州は、中国にかつて存在した州であり、おおよそ現在の河北省石家荘市一帯に位置していました。その歴史は、南北朝時代から五代十国時代という激動の時代区分にまたがり、その間、名称や管轄地域が頻繁に変化しました。

恒州の歴史

魏晋南北朝時代

578年、北周によって定州から常山郡が分割され、恒州が設置されました。これが恒州の始まりです。

隋代

隋代初期、恒州は2郡5県を管轄していました。583年に隋が郡制を廃止すると、恒州に属していた常山郡と蒲吾郡も廃止されました。607年に州が廃止されて郡が置かれると、恒州は恒山郡と改称され、8県を管轄下に置きました。しかし、613年には恒山郡も廃止され、高陽郡に統合されました。その後、617年に再び恒山郡が設置されています。

唐代

618年、唐によって恒山郡は恒州と改められました。恒州は真定・石邑・九門・行唐・滋陽の5県を管轄し、州治は石邑県に置かれました。742年には常山郡、756年には平山郡と改称されましたが、758年には恒州の名称に戻されました。820年、穆宗の諱を避けるため、恒州は鎮州と改称されました。鎮州は河北道に属し、真定・石邑・九門・行唐・霊寿・井陘・獲鹿・平山・藁城・欒城・鼓城の11県を管轄しました。

五代十国時代

923年、後唐により鎮州に北都が建てられ、鎮州は真定府と改められました。しかし、同年中に鎮州の名称に戻されました。942年には後晋により恒州と改称されましたが、947年には後漢によって鎮州に戻され、948年には真定府と改められました。951年には後周により再び鎮州の称に戻されました。

宋代以降

1048年、北宋により鎮州は真定府と改められ、河北西路に属し、9県と北寨、天威軍を管轄しました。金の時代にも真定府は河北西路に属し、9県と3鎮を管轄しました。モンゴル帝国時代には真定府は真定路と改められ、元代には中書省に属し、1府5州30県を管轄する広大な地域を統治しました。明代には真定路は真定府と改められ、北直隷に属し、5州27県を管轄しました。清代に入ると、1723年に雍正帝の諱を避けるため、真定府は正定府と改称され、直隷省に属し、1州13県を管轄しました。

1913年、中華民国により正定府は廃止されました。鎮州、真定府、正定府などの中心は正定県に置かれていましたが、鉄道駅ができた石家荘が発展し、地域の中心としての地位を奪いました。

恒州の歴史は、中国の地方行政区分の変遷を具体的に示す事例として、重要な意味を持っています。その名称や管轄地域の変遷は、時代の権力者の思惑や社会情勢の変化を反映しており、歴史を研究する上で貴重な情報源となっています。

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