恩田駅

恩田駅

恩田駅（おんだえき）は、神奈川県横浜市青葉区あかね台（ホームの所在地は恩田町）に位置する、東急電鉄こどもの国線の鉄道駅です。駅にはKD02の駅番号が付与されています。こどもの国線の第三種鉄道事業者である横浜高速鉄道が駅施設を保有しており、運行は東急電鉄が担っています。

歴史

この駅の付近には、1972年（昭和47年）に設立された東急電鉄長津田車両工場（当初は長津田工機事務所）へ分岐する線路がかつて設けられていました。当初、児童厚生施設であるこどもの国への行楽客輸送を目的としていたこどもの国線ですが、周辺地域の住宅地化が進んだことに伴い、通勤路線としての改良が行われました。この改良時に、長津田駅とこどもの国駅の間に位置する唯一の中間駅として、恩田駅が新たに開設されました。

駅の開業は2000年（平成12年）3月29日のことです。

駅構造

恩田駅は、地上に設けられた島式ホーム1面2線を有する構造となっており、列車交換が可能な配線となっています。ホームの有効長は多客期に対応するため4両編成の列車まで停車できますが、こどもの国駅や長津田駅とは異なり、5両編成に対応する長さは備えていません。ホーム上屋は2両分にのみ設置されており、屋根のない部分は普段、安全確保のため柵によって立ち入りが制限されています。

駅舎は、こどもの国線が通勤路線化された際に新たに建設されました。駅舎内には自動券売機や自動改札機などの基本的な設備が備えられています。通常時は駅員が配置されない無人駅として運用されており、長津田駅によって管理されています。乗客からの問い合わせは、駅に設置されたインターホンを通じて行う仕組みです。また、筆談が必要な利用者のためにFAX設備も用意されています。

残念ながら、駅の改札内、改札外いずれにもトイレの設備はありません。

バリアフリー設備として、改札階と2階通路（跨線橋）を結ぶエレベーター、および2階通路とホームを結ぶエレベーターの計2基が設置されており、移動をサポートしています。

駅には、隣接する東急電鉄長津田車両工場から接続する側線が設けられています。この側線は、工場作業用の車両が一時的に待機するために利用されることがあります。また、輸送障害発生時には、この側線や駅の構造を活用して恩田駅での折り返し運転が行われることもあります。

特筆すべき構造上の特徴として、駅の前後区間が共に単線となっている点が挙げられます。これは東急電鉄の駅では恩田駅のみに見られる特徴です。

利用状況

2024年度（令和6年度）における1日平均の乗降人員は974人です。これは、東急電鉄が運行する全駅（世田谷線を除く）の中で最も少ない数値となっています。ただし、この統計には定期利用者の乗降人員が含まれていない点に注意が必要です。こどもの国線の定期券は全て長津田駅とこどもの国駅間の利用として計上されるため、恩田駅を発着駅とする定期券は発行されていません。このため、公式統計の数値は実際の利用状況を完全に反映しているわけではない可能性があります。

駅周辺

駅の周辺には、東急電鉄長津田車両工場が隣接しています。その他、徳恩寺や、恩田の谷戸と呼ばれる地域が広がっています。恩田の谷戸は、水田や小川（奈良川など）、雑木林といった里山の風景が残り、市民有志の手によって手入れや保全活動が続けられている自然豊かなエリアです。

教育機関としては、横浜市立あかね台中学校が近くにあります。

駅前については、開業当初は売店であるtoksがありましたが、後に閉店しました。その後、2004年（平成16年）4月から2012年（平成24年）3月にかけてはドッグカフェ「サントラップ」が営業していましたが、こちらも閉店しています。2017年（平成29年）5月時点ではコインパーキングとして利用されています。

路線バス

恩田駅周辺には、路線バスの停留所も設けられています。

恩田駅停留所
東急バス：青55系統（中恩田橋・松風台を経由し青葉台駅へ向かう便）

徳恩寺前停留所
県道139号沿いの路上に位置します。
* 横浜市営バス：177系統（こどもの国入口を経由し奈良北団地折返場へ向かう便、または田奈駅を経由し十日市場駅前へ向かう便）

過去には、小田急バスの柿20系統（町田ターミナル行、柿生駅南口行）や、東急バスの青56系統（こどもの国を経由する緑山循環、または中恩田橋・松風台を経由し青葉台駅へ向かう便）も乗り入れていましたが、これらは後に路線が廃止されています。

隣の駅

東急電鉄こどもの国線における恩田駅の隣駅は以下の通りです。

長津田駅 (KD01) - 恩田駅 (KD02) - こどもの国駅 (KD03)

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