恵山町

北海道恵山町：津軽海峡に面した町の歴史と文化

恵山町は、北海道渡島半島東部に位置していた町です。2004年12月1日、戸井町、椴法華村、南茅部町とともに函館市に編入されました。本稿では、恵山町の歴史、地理、経済、文化、交通などを詳細に解説します。

町名の由来と地理

町名は、町域にそびえる活火山「恵山」(618m)に由来しています。恵山町は、南部が津軽海峡に面し、北部は山間部という変化に富んだ地形を持っていました。主要な河川には女那川や古武井川があり、日浦岬や恵山岬といった特徴的な岬も存在しました。また、恵山町内には日ノ浜、恵山、女那川、古武井、御崎、柏野、中浜、豊浦、日浦などの地区がありました。旧町名である尻岸内は、アイヌ語の「シリキシラリナイ」（岩壁に形像のある川の意）に由来すると言われています。

歴史と行政

1906年4月1日、尻岸内村として二級町村制を施行。1964年11月1日には町制を施行し、尻岸内町となりました。1985年4月1日、恵山町と改称されました。この改称を巡っては、隣接していた椴法華村との間で論争が起きたと伝えられています。そして、2004年12月1日、函館市への編入という大きな転換期を迎えることになります。

恵山町は、隣接する亀田郡戸井町、函館市、椴法華村、茅部郡南茅部町（現在はすべて函館市）と密接な関係を持っていました。

経済と産業

恵山町の経済は、漁業と養殖が盛んでした。ウニやコンブなどの海産物が多く水揚げされ、恵山漁港、山背泊漁港、女那川漁港、大澗漁港、日浦漁港など、複数の漁港が町の経済を支えていました。

教育と交通

教育機関としては、北海道恵山高等学校、恵山中学校、そして恵山小学校（函館市との合併後はえさん小学校と名称変更）がありました。交通面では、町内を鉄道路線は通っておらず、鉄道利用の場合はJR北海道函館本線函館駅が最寄り駅でした。バス路線は函館バスが運行していました。道路は国道278号、北海道道41号函館恵山線などが整備され、道の駅 なとわ・えさんもありました。

文化と観光

恵山町は恵山道立自然公園、恵山温泉といった観光資源にも恵まれていました。恵山つつじまつり、納涼祭り、ごっこ祭りなど、地域に根付いた様々な祭事や催事が行われていました。

函館市編入後

函館市への編入後、恵山町は函館市恵山支所として新たな役割を担うこととなりました。恵山町の歴史や文化は、函館市の一部として受け継がれ、現在もその名残を各地に見ることができます。

まとめ

恵山町は、豊かな自然と歴史、そして活気ある漁業を特徴とする町でした。函館市への編入という大きな変化を経て、その歴史と文化は函館市の一部として大切に継承されています。恵山町の存在は、函館市の歴史と文化を語る上で欠かすことのできない重要な要素となっています。 恵山町に関する文献としては、『恵山町史』（恵山町史編纂室 編、函館市恵山支所、2007年3月）が挙げられます。

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