恵比島駅

恵比島駅（えびしまえき）

恵比島駅は、かつて北海道雨竜郡沼田町に位置し、JR北海道留萌本線に属していた駅です。2023年4月1日の石狩沼田駅 - 留萌駅間の廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。駅の電報略号は「エヒ」、事務管理コードは▲121504でした。

歴史

恵比島駅は、1910年（明治43年）11月23日に鉄道院留萠線（現在の留萌本線）の深川駅 - 留萠駅間開通に合わせて開業しました。開業当初は一般駅として機能していました。

1913年（大正2年）頃には、留萌炭鉱が駅との間に貯炭場を設け、山元から貯炭場まで軽便鉄道を敷設。駅と炭鉱を結ぶ専用線も敷かれました。しかし、これらの鉄道は1920年代に休止、1930年（昭和5年）までに廃止されています。

1930年（昭和5年）には、留萠鉄道が開通し、恵比島駅は分岐駅となりました。その後、国有鉄道に移管、跨線橋の設置、駅舎の改築などを経て、1969年（昭和44年）に留萠鉄道が休止、1971年（昭和46年）に廃止されました。

1977年（昭和52年）に貨物取扱いが廃止、1984年（昭和59年）には荷物取扱いも廃止され、無人駅となりました。1986年（昭和61年）には交換設備も廃止されています。1980年代後半には貨車駅舎に改築されました。

国鉄分割民営化によりJR北海道に継承されましたが、2023年に留萌本線の一部区間廃止に伴い、廃駅となりました。

駅名の由来

駅名は所在地名に由来します。地名はアイヌ語の「エピソマㇷ゚（e-pis-oma-p）」に由来すると考えられています。これは「頭（水源）が浜（の方）に入っているもの（川）」という意味で、付近を流れる幌新太刀別川支流のエビス川を指すのではないかとされています。

駅構造

廃止時点では、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。かつては列車交換が可能な交換駅でしたが、交換設備廃止後は棒線駅となっていました。駅舎は構内の西側に位置し、貨車を改造した駅舎が使用されていました。

特筆すべきは、NHKの連続テレビ小説「すずらん」のロケ地として使用されたことです。撮影の際に古い建物を模した木製板が貼られ、ドラマ終了後もそのまま残されました。また、ロケセットとして建設された架空の「明日萌駅」が隣接しており、観光地となっています。

明日萌駅

明日萌駅では、恵比島駅廃止後も、ゴールデンウィークなどに駅舎開放やグッズ販売などのイベントが期間限定で開催されています。1999年（平成11年）には、明日萌駅舎のイラスト入りの駅スタンプが設置されました。

留萠鉄道恵比島駅

留萠鉄道のホームは島式ホーム外側の3番線を使用していました。廃線後、旧構内は荒地となっています。

利用状況

恵比島駅の乗車人員は年々減少していました。

駅周辺

駅周辺は農村地帯です。かつては交通の要衝でしたが、その面影はほとんど残っていません。

北海道道549号峠下沼田線
北海道道867号達布石狩沼田停車場線
恵比寿神社
永徳寺
* 沼田町営バス「恵比島駅前」停留所

その他

恵比島駅は、「すずらん」のロケ地として有名であり、撮影で使用されたセットが今も残されています。旧駅舎の土台を利用した「明日萌駅」には、等身大の蝋人形が設置されています。

この駅は、『てなもんや駅長奮闘記』『氷点』など、他のドラマや映画のロケ地としても使用されました。

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