情報処理隊

陸上自衛隊の情報処理隊について

陸上自衛隊の情報処理隊は、情報科に属する専門部隊であり、主に以下の二つに区分されます。

中央情報隊情報処理隊: 中央情報隊の隷下にあり、朝霞駐屯地に所在します。
方面情報処理隊: 各方面総監の指揮監督を受け、各方面隊の駐屯地に所在します。

概要

情報処理隊は、地誌や語学に精通した隊員で構成されています。中央情報隊情報処理隊長は1等陸佐、方面情報処理隊長は2等陸佐がそれぞれ務めます。

情報処理隊が設立される以前は、連隊内の情報中隊や偵察隊などが情報を収集していましたが、これらの情報は必ずしも上級部隊や隣接部隊間で共有されていませんでした。しかし、自衛隊の運用が統合運用体制へと移行するに伴い、各部隊で収集された情報を方面隊単位で一括処理し、陸上幕僚監部や各方面隊間で相互共有する必要性が高まりました。このニーズに応えるため、情報処理隊が設立されました。

情報処理隊は、連隊以下の部隊（戦術レベル）で収集された情報をデータベース化し、陸上自衛隊の指揮システムを通じてリアルタイムで配信する役割を担っています。これにより、各部隊間の情報共有が円滑化され、即応体制の強化に貢献しています。

2005年（平成17年）3月には、西部方面情報処理隊を皮切りに、各方面隊に情報処理隊の編成が順次進められました。2009年（平成21年）3月には、東北方面情報処理隊の新編をもって全方面隊への配置が完了しました。さらに2010年（平成22年）からは、方面情報処理隊を母体として、既存の情報部隊を統合・改編し、方面情報隊（Army Military Intelligence）への移行が進められています。方面情報隊長には、防衛駐在官の経験を持つ1等陸佐（二）が任命され、方面情報隊本部、無人偵察機隊、その他の部隊によって組織されています。

部隊編成

中央情報隊情報処理隊

2007年（平成19年）3月28日に新編され、朝霞駐屯地に所在しています。主に基礎情報隊や国際平和協力活動部隊などから収集された情報を処理します。

方面情報処理隊

各方面隊の方面総監部が所在する駐屯地に配置されています。なお、北部、中部、西部方面隊の情報処理隊は、それぞれ改編され方面情報隊となっています。

方面情報処理隊一覧（※太字は廃止された部隊）

北部方面情報処理隊（札幌駐屯地）：2006年（平成18年）3月27日新編。2013年（平成25年）3月25日廃止。同部隊を母体に北部方面情報隊が同年3月26日に再編されました。
東北方面情報処理隊（仙台駐屯地）：2009年（平成21年）3月26日新編。
東部方面情報処理隊（朝霞駐屯地）：2008年（平成20年）3月26日新編。
中部方面情報処理隊（伊丹駐屯地）：2007年（平成19年）3月28日新編。2010年（平成22年）3月25日廃止。同部隊を母体に中部方面情報隊が同年3月26日に再編されました。
西部方面情報処理隊（健軍駐屯地）：2005年（平成17年）3月28日新編。2010年（平成22年）3月25日廃止。同部隊を母体に西部方面情報隊が同年3月26日に再編されました。

沿革

2005年（平成17年）3月28日：西部方面情報処理隊が健軍駐屯地に新編。
2006年（平成18年）3月27日：北部方面情報処理隊が札幌駐屯地に新編。
2007年（平成19年）3月28日：
中央情報隊隷下に情報処理隊が市ヶ谷駐屯地に新編。
中部方面情報処理隊が伊丹駐屯地に新編。
2008年（平成20年）3月26日：東部方面情報処理隊が朝霞駐屯地に新編。
2009年（平成21年）3月26日：東北方面情報処理隊が仙台駐屯地に新編。
2010年（平成22年）3月26日：
中部方面情報処理隊（伊丹駐屯地）が中部方面情報隊に改編。
西部方面情報処理隊（健軍駐屯地）が西部方面情報隊に改編。
2013年（平成25年）3月26日：北部方面情報処理隊（札幌駐屯地）が北部方面情報隊に改編。
2018年（平成30年）3月27日：情報処理隊の上位部隊である中央情報隊の陸上総隊編入に伴い、防衛省市ヶ谷地区（市ヶ谷駐屯地）から朝霞駐屯地へ移駐しました。

主要幹部

情報処理隊の主要幹部については、公式情報をご確認ください。

脚注

情報処理隊に関する情報は、防衛省や陸上自衛隊の公式ウェブサイト、関連書籍などで確認できます。

関連項目

統合幕僚監部
指揮幕僚課程
西部方面通信情報隊・沿岸監視隊 (陸上自衛隊)
* 防諜

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