愛宕松男

愛宕 松男（おたぎ まつお）について

愛宕松男は、1912年2月8日に京都府に生まれ、2004年6月17日に肺炎で亡くなった東洋史学者である。彼は1941年に京都帝国大学文学部史学科を卒業後、1951年から東北大学の文学部教授として教鞭を執り、1974年に定年退官後は京都女子大学の教授に就任した。愛宕氏は、研究人生の中で数多くの著作を残し、そのほとんどが中国に関する歴史や文化に関連している。

経歴

愛宕松男は、東北大学の教授として長年にわたり教壇に立ち、その後、名誉教授となる。彼の研究成果は、主に元朝やその他の征服王朝に焦点を当てたものであり、専門的な視点から歴史を掘り下げていった。彼の子息である愛宕元もまた東洋史学者であり、京都大学名誉教授として活躍している。このように、愛宕氏の家族は東洋史学の発展に寄与している。

研究内容・業績

愛宕の研究分野には、特に「元朝史」や「中国征服王朝」が挙げられる。彼は、元朝の成立やその後の発展を詳細に研究した他、陶磁器産業に関する研究や戯曲・演劇史にも言及した著作が存在する。また、彼は『東方見聞録』の翻訳でも知られており、その翻訳は多くの人々に読み継がれている。

主な著書

彼の著作には、以下のようなものがある。

• - 『忽必烈汗』 - 支那歴史地理叢書（冨山房、1941年）
• - 『契丹古代史の研究』 - 東洋史研究叢刊（東洋史研究会、1959年）
• - 『世界の歴史 11 アジアの征服王朝』 - 河出書房新社（1969年、普及版1978年、河出文庫1989年）
• - 『愛宕松男東洋史学論集』全5巻（3一書房、1987-1990年）

- 第1巻： 中国陶瓷産業史
- 第2巻： 中国社会文化史
- 第3巻： キタイ・モンゴル史
- 第4巻： 元朝史
- 第5巻： 東西交渉史

彼はまた、共著としても多くの作品を残している。

• - 『中国の歴史 6 元・明』 - 寺田隆信共著（講談社、1974年）
• - 『モンゴルと大明帝国』（講談社学術文庫、1998年）

翻訳業

愛宕氏は翻訳家としても優れた活動を行い、特に次のような作品がある。

• - マルコ・ポーロの『東方見聞録』全2巻（平凡社東洋文庫、1970-1971年 / 平凡社ライブラリー、2000年）
• - 『マルコ・ポーロの旅　東方見聞録』（平凡社、1983-1984年）
• - 藍浦の『景徳鎮陶録』全2巻（平凡社東洋文庫、1987年）

追悼と評価

愛宕松男の業績は、彼の死後も多くの学者によって称賛され続けており、2005年には彼の追悼論文集が出版された。この追悼論文集には、彼の著作目録が付録として収められている。彼の研究は、今なお東洋史学の分野で高く評価されており、後進の研究者たちに影響を与えている。

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