愛情の設計

『愛情の設計』について

『愛情の設計』（あいじょうのせっけい）は、著名な漫画家・里中満智子氏が週刊少女フレンドに連載した同名の人気漫画作品を原作とし、1977年に製作・公開された日本映画です。原作漫画はその繊細な心理描写とドラマティックな展開で多くの読者を魅了し、映像化へと繋がりました。

映画版『愛情の設計』

この映画は、松竹と当時の人気芸能プロダクションであったサン・ミュージックとの提携作品として製作されました。監督は、青春映画やドラマを数多く手掛けた山根成之が担当しています。

主演に抜擢されたのは、歌手としてだけでなく女優としても活躍していたトップアイドル、桜田淳子です。本作は、彼女にとって単独主演映画としてはこれが4本目にあたります。相手役には、同じサン・ミュージックに所属し、後に俳優として活躍する佐藤佑介が起用されています。

映画のリアリティを高めるため、ロケ地には多様な場所が選ばれました。学園のシーンには東京大学が、避暑地の描写には長野県の軽井沢が、そして海辺の情景には神奈川県の油壺などが使用され、物語に深みを与えています。

当時の桜田淳子は、歌手活動や学業に加え、女優業も精力的に行っており、非常に多忙なスケジュールをこなしていました。本作の公開に先立つ1977年4月には、東宝製作の青春映画『若い人』でも主演を務めており、わずか3ヶ月という短い期間に主演映画が2本公開されるという異例の状況でした。これは、当時の彼女の多方面における人気の高さを如実に示しています。

また、本作にはファンにとって嬉しいサプライズが用意されていました。原作漫画の作者である里中満智子氏自身が、映画の中に看護婦役としてカメオ出演しています。短いシーンながら、作品への愛着を感じさせる出演となりました。

キャスト

映画を彩った主な出演者には、以下の俳優たちが名を連ねています。

槙村美世：桜田淳子
槙村圭：村野武範
北野翔平：佐藤佑介
北野洋平：渡辺文雄
北野節子：瞳麗子
河村智子：夏純子
島田照子：折原真紀
正代：遊佐ナオ子
谷口：中島久之
やくざ：粟津號
武藤迪子：白木葉子
試験官：里中満智子（原作）
看護婦：人見ゆかり
女子高生：佐藤美恵子

スタッフ

映画製作を支えた主要スタッフは以下の通りです。

監督：山根成之
製作：樋口清
企画：相澤秀禎
脚本：石松愛弘
音楽：青木望
撮影：小杉正雄

同時上映

『愛情の設計』は、公開時に松竹の他の作品と併映されました。同時に上映されたのは、歌手としても人気を集めていた野口五郎と、当時売り出し中であった女優・大竹しのぶが出演した映画『季節風』です。こちらは斎藤耕一が監督を務めた作品で、共に青春をテーマとした作品としてカップリングされました。

この映画は、原作の持つ魅力に加え、当時の人気アイドルを主演に迎え、実力派の俳優陣とスタッフが一体となって作り上げた、1970年代後半の日本映画における青春ドラマの一例として記憶されています。

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