愛染院 (徳島県板野町)

愛染院について

愛染院（あいぜんいん）は、徳島県板野郡板野町に属する高野山真言宗の寺院で、山号は金鶏山です。この寺院では不動明王が本尊として安置されており、地元では「那東のお不動さん」として親しまれています。また、愛染院は四国八十八箇所霊場の第三番札所である金泉寺の奥の院としても知られています。寺院の本尊に対する真言は特に大切にされており、その教えを受け継いでいます。

歴史

伝説によれば、平安時代の弘仁7年（816年）、弘法大師（空海）が四国を巡錫している際に、当寺の地に霊的な気配を感じました。そこで、彼自身が不動明王を彫刻し、これを本尊としました。愛染院の名称は1900年代初頭に「阿弥陀寺」と呼ばれていた時期もあり、大正10年に四国二十一番札所太龍寺と合併して現在の名前が定まりました。

赤澤信濃守崇伝の廟

寺院の中には、戦国時代にこの地を治めた赤澤信濃守崇伝の廟が配置されています。赤澤信濃守は天正10年（1582年）の中富川の戦いで命を落としたと伝えられています。この廟には、信濃守への特別な信仰が根付いており、腰に関する病が治癒するとの言い伝えから多くの参拝者が集います。信濃守が草鞋の紐を切ったことが敗北に繋がったとの話があり、参拝者が草鞋を奉納する習慣が続いています。

境内の構成

愛染院の境内には以下のような施設があります：

• - 山門（仁王門）：左右に金剛力士像が安置されています。
• - 本堂：ここには不動明王、愛染明王、大日如来像が安置されています。
• - 大師堂：弘法大師の像が祀られています。
• - 赤澤信濃守廟：赤澤信濃守崇伝を祀っている場所で、裏山には家臣の供養塔として石塔群が存在します。
• - 鐘楼堂：伝統的な鐘をつくための場所です。
• - 石仏八十八箇所：背後の不動山には、石仏が配置されています。
• - 駐車場：最大10台が駐車できる無料の駐車場があります。
• - 那東親水公園：進入路の脇には、古代ハスや睡蓮、花木などを鑑賞できる小さな公園が整備されています。

アクセス情報

愛染院は、三番札所金泉寺から約3km西に位置し、大日寺への遍路道の途中に位置しています。徒歩の場合は、金泉寺から約45分、大日寺までの距離は約30分です。

交通手段としては、鉄道を利用する場合はJR四国高徳線の板野駅から徒歩約3km、バスでは徳島バスの鍛冶屋原線で「那東東」下車後、徒歩約0.4kmの距離です。自動車でもアクセス可能で、高松自動車道の板野ICから約4.0km、徳島自動車道の藍住ICからは6.0km程度の位置にあります。

愛染院は、信仰の場としてだけでなく、美しい自然や歴史的な背景を持つ地域としても多くの人々に愛されています。

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