金泉寺

金泉寺（こんせんじ）

金泉寺は、徳島県板野郡板野町に位置する高野山真言宗の寺院で、亀光山釈迦院と称されています。寺院の本尊は釈迦如来で、脇侍として薬師如来と阿弥陀如来が安置されています。地域の巡礼者にとって重要な存在であり、四国八十八箇所の第三番札所となっているほか、阿波西国三十三観音霊場や阿波北嶺薬師霊場の札所としても知られています。

背景と伝説

金泉寺の名は、寺自体が金運上昇の御利益を持つとされることに由来しています。実際、地域の大寺の村名もこの寺から派生したのです。歴史的には、板野郡は一度、板東と板西に分かれていましたが、その境界は当寺の堂の扉板が象徴しているとされています。

寺の歴史は、天平年間に聖武天皇の勅願により行基が本尊を刻んだことから始まるとされ、当初は金光明寺と名付けられました。その後、弘仁年間に空海（弘法大師）が訪れ、水不足を解消するために井戸を掘ったことで、黄金井の霊水が湧き出たことをきっかけに現在の金泉寺という名前になったと伝えられています。亀山法皇がこの地を訪れた際には、千手観音を祀る堂を建立し、周囲の山を亀山と名づけたことも、寺の由緒の一部として語り継がれています。

文化財と建物

金泉寺の境内には多くの文化財が存在し、板野町により指定された史跡や有形文化財が数点確認されています。寺院に残る建物には、三間一戸の仁王門や本堂、大師堂、護摩堂、観音堂などがあります。特に本堂には、釈迦如来とともに両脇仏が祀られ、2014年以降、一般の参拝者にも公開されています。大師堂は2008年に改築され、弘法大師像を拝むことができます。また、護摩堂も独自の魅力を持ち、不動明王立像のほか、天井に描かれた花鳥画が参拝者を魅了しています。

さらに、「黄金の井戸」は「自分の顔が映れば長寿を得られる」と言われており、訪れる人々にとって特別な意味を持つ場所となっています。境内には弁慶の力石やさまざまな祠もあり、特に斎藤である沙羅の木は6月に美しい花を咲かせます。

アクセスと周辺情報

金泉寺は、四国旅客鉄道の板野駅から約0.7kmの距離にあり、徒歩や路線バスでアクセスすることができます。周囲には多くの観光名所や文化財もあり、旅行者が訪れる際には立ち寄りやすい環境が整っています。

駐車場も完備されており、訪れる人には便利です。宿坊はありませんが、周辺で宿泊施設を見つけることが可能です。アクセスの良さから四国八十八箇所巡礼の一環として、また文化体験や歴史探訪を目的とした訪問者に愛され続けています。

最後に

金泉寺は美しい自然に囲まれた場所に位置し、その歴史深い背景と豊かな文化財が訪れる人々を引きつけます。金運上昇を願う多くの人々がこの地に訪れ、静けさの中で心を落ち着けています。仏教の教えを知るうえで、この寺院を訪れることは意義深い経験となるでしょう。

もう一度検索