愛正会

愛正会（あいせいかい）

愛正会は、日本の自由民主党に存在した派閥の一つで、その通称は藤山派となっています。この派閥は、政治家藤山愛一郎が中心となって設立され、主に岸信介派における反池田勇人系の議員たちが集まって形成されました。藤山は自由民主党の総理総裁を目指し、数回にわたり政治活動を展開しましたが、残念ながら全ての選挙で敗北を喫しました。

愛正会は、その活動を維持するために藤山自身の巨額の私財を投じましたが、次第に派閥の支持基盤は縮小していきました。特に1968年の自由民主党総裁選挙では、藤山が再度立候補を目指すも、南条徳男という当時の有力幹部が佐藤栄作の三選を支持し、派閥内での対立が生じました。この結果、南条は藤山派を離脱し、福田赳夫派に合流することとなりました。

藤山派に属していた国会議員たちも、次々と他の派閥へ移籍したり脱退するケースが増えました。例えば、大麻派に所属していた小泉純也は、大麻唯男の死後、愛正会に参加しました。しかしながら、派閥は藤山、江崎真澄、遠藤三郎、田村良平、竹内黎一、永田亮一のわずか7名しか残らず、1971年末には水田派に吸収される形で合併してしまいました。この合併には藤山と竹内は参加せず、また遠藤は急死により脱落しました。

愛正会に関与していた国会議員のうち、一部はその後他の派閥に移籍しています。例えば、福田派には福家俊一が移籍し後に退会しています。また、水田派には江崎真澄、田村良平、永田亮一がそれぞれ移籍し、最終的に田中派に加わったケースも見られます。南条徳男、宇田国栄、杉原荒太、床次徳二、平井太郎は南条グループという分派を結成し福田派に合流しました。

派閥の構成員に無派閥で活動する議員として藤山愛一郎や竹内黎一が存在し、いくつかの関連する名前には綾部健太郎、遠藤三郎、小沢佐重喜、加藤精三、小泉純也、武知勇記、花村四郎、藤原あき、星島二郎、増原惠吉などがありました。これらの議員はそれぞれの政治的立場や背景を持ちながら、愛正会の活動に関与していました。愛正会はその後、吸収によって消滅しましたが、その歴史は自由民主党内の派閥の変遷を理解する上で重要な一ページとして位置づけられています。

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