大麻唯男

大麻唯男の生涯と政治キャリア

大麻唯男（おおあさ ただお、1889年7月7日 - 1957年2月20日）は、熊本県玉名市出身の著名な政治家であり、内務官僚としても知られています。彼は1900年代初頭から昭和中期にかけて日本の政治に大きな影響を与えました。兄は剣道十段の大麻勇次であり、彼もまた多様な背景を持つ家族に生まれました。

大麻は熊本中学、第五高等学校を経て、1914年に東京帝国大学法科を卒業しました。卒業後は内務省に入省し、山梨県に勤務します。彼はその後、山形県や神奈川県の警察署長を歴任し、警察機関の運営に携わりました。1924年には同じ出身地の政治家小橋一太の推薦を受けて、清浦奎吾首相の秘書官となります。この頃、彼は清浦首相の宴会での華やかなスピーチが評価され、政界への足がかりを得ました。

その後、大麻は衆議院議員選挙に立候補し、政友本党から当選を果たしました。彼はその後、立憲民政党へと合流し、法務や文部などの重要なポジションを担当し、最終的には民政党の幹事長を務めるまでに至ります。

1940年には、政党解消の際に裏で軍部と手を結び、新体制運動に参加したとして「政界の寝業師」と呼ばれるようになります。続いて大政翼賛会の改編に参加し、議会局議事部長に就任しました。こうした活動によって、彼は翼賛政治体制の中で重要な役好を果たし、「東條の茶坊主」との呼び名で知られるようになります。1943年には東條内閣の国務大臣に就任し、その威光を増しました。

しかしながら、彼は1943年10月の中野正剛事件に関して、立法府の独立を守るために東條首相に反論する場面も見られます。戦後、大麻は日本進歩党を結成し、その後の政治活動に力を注ぎましたが、総裁の座を巡る争いに巻き込まれました。

町田忠治を総裁に立てるための資金を田中角栄に用立てさせる一方で、彼自身も公職追放の憂き目に遭います。追放解除後には、民政旧友会を結成しましたが、さらなる政党の対立が彼の政治的進路に影響を与えました。

その後も新政クラブの設立や、日本民主党への参加を経て、1952年には改進党から議員に復帰します。改進党内では自由党との協調を図る一方、自由党の内部での冷遇を受ける場面も見られました。1954年には保守合同を経て自由民主党の顧問に就任し、大麻派と呼ばれる小派閥を率います。

彼の政治スタイルは特異で、特に一般の場においては平安時代風の独特な喋り方を使い、多くの人々に印象を与えました。1957年に生涯を閉じるまで、大麻唯男は日本の政治史に多くの痕跡を残しています。

栄典

1943年5月1日には従三位に叙せられるなど、その政治的功績は公式に認められました。彼の名は今でも日本政治の歴史の一部として記憶されています。

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