愛知万博の歴史

愛知万博の歴史：2005年日本国際博覧会の軌跡

2005年に開催された愛知万博（2005年日本国際博覧会）は、その準備段階から閉幕後の展開に至るまで、様々な出来事がありました。ここでは、愛知万博の歴史を時系列に沿って詳しく見ていきましょう。

開催までの道のり

愛知万博の構想は1988年10月に愛知県が発表したことから始まりました。1990年2月には、会場候補地として瀬戸市の「海上の森」が挙がります。1991年10月には、万博のテーマが「技術・文化・交流－新しい地球創造」と決定されました。

1994年6月には基本構想が発表され、入場者数4,000万人、会場建設費や出展事業費に約4,000億円が見込まれました。開催後の会場跡地は住宅地として整備する計画でした。しかし、1995年12月には入場者規模が2,500万人に下方修正され、閣議で万博開催申請が了承されました。

1996年4月、日本政府は博覧会国際事務局（BIE）へ参加申請を行い、テーマは「新しい地球創造：自然の叡智」となりました。そして1997年6月、モナコで開催されたBIE総会において、愛知万博はカナダのカルガリーを破り、2005年の開催地に決定しました。

会場予定地の「海上の森」では、1999年5月に絶滅危惧種のオオタカの営巣が確認されました。2000年1月には、BIEが万博の跡地利用計画を「環境破壊」と批判していた文書の存在が報道されました。その後、2000年4月には会場跡地の宅地開発計画が中止され、同年9月には主会場を長久手町の愛知青少年公園（現在の愛・地球博記念公園）へ変更することが発表されました。

2002年1月には、愛知万博の愛称が「愛・地球博」に決定。2002年6月には、皇太子徳仁親王が愛知万博名誉総裁に就任し、同年10月には長久手・瀬戸両会場で起工式が行われました。2003年9月には前売り入場券が発売開始され、小泉純一郎首相も購入しています。

開幕から閉幕まで

2005年3月24日には、長久手会場のEXPOドームで開会式が行われました。翌25日には、予定より15分早く午前9時15分に開幕を迎えました。会期中には、フランスのシラク大統領やドイツのケーラー大統領など、多くの海外からの要人が視察に訪れました。

4月1日には、小泉首相の意向で弁当の持ち込みが解禁されました（家庭で調理されたもの限定）。4月4日にはEXPOドームにて大相撲万博場所が開催され、4月7日からは人類最古の頭骨サヘラントロプス・チャデンシス（トゥーマイ）から復元された立体模型が世界で初めて公開されました。

会期中には様々なイベントや催し物が開催され、多くの人々が来場しました。しかし、4月7日には大学生2名がフェンスをよじ登って長久手会場に侵入する事件が発生したり、4月9日にはグローバル・ハウスのマンモスラボで漏電による小火が起きるなどのトラブルもありました。

7月20日には瀬戸会場の閉場時間が延長されたり、7月21日には日立グループ館の入館方法が変更されたりするなど、会期中にも様々な変更が行われました。

そして9月25日、愛知万博は閉幕を迎えました。EXPOドームでは閉会式が行われ、瀬戸会場ではグランドフィナーレが開催されました。モリゾーとキッコロの森へ帰る式が行われ、国旗一斉降納式が行われた後、午後9時に閉幕しました。

閉幕後の展開

長久手会場は、施設の撤去などを経て、2006年7月15日に愛・地球博記念公園として整備されました。瀬戸会場については、海上の森全体が愛知県の管理地となり、「瀬戸愛知県館」は改築され、「あいち海上の森センター」として開設されました。

愛・地球博記念公園には、人気があったサツキとメイの家などが移設され、再度公開されました。迎賓館は「愛・地球博記念館」となり、博覧会を記念する資料館となりました。また、グローバル・ループの一部や大観覧車も残され、再利用されています。

万博の施設や展示物の一部は解体・転用されたり、インターネットオークションで一般に販売されたりしました。2005年9月26日には、IMTSがトヨタ自動車広瀬工場に移動し、アメリカ館で展示されていたライト兄弟のグライダーのレプリカが中部国際空港に移動しました。

2006年7月15日には、長久手会場跡地が「愛・地球博記念公園」として整備され、一部施設がオープンしました。2006年9月25日には、瀬戸会場跡地の一部と旧瀬戸愛知県館が「あいち海上の森センター」として整備され、オープンしました。

2006年12月31日をもって2005年日本国際博覧会協会が解散し、翌2007年1月からは清算法人として清算業務が行われました。

愛知万博は、環境問題への意識を高め、地域振興に貢献したイベントとして、その歴史は長く語り継がれることでしょう。

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