慈光寺 (徳島市)

慈光寺（じこうじ）

慈光寺は、徳島県徳島市福島に位置する臨済宗妙心寺派の寺院です。山号を黄龍山と称し、阿波秩父観音霊場の第25番札所として、多くの人々に信仰されています。

歴史

慈光寺の起源は、阿波徳島藩初代藩主・蜂須賀至鎮が上八万村中津浦（現在の徳島市上八万町）に創建した黄竜山広雲寺に遡ります。その後、徳島城周辺に禅宗寺院が少ないという理由から、至鎮によって徳島城に近い現在の福島へと移されました。

慶長11年（1606年）3月、至鎮の生母である慈光院が病没。その菩提を弔うため、寺号を慈光院と改められました。これにより、寺院は慈光院の菩提所としての役割を担うこととなります。

また、慈光寺には、赤穂浪士による赤穂事件に関わった近松行重と奥田行高の両親の墓があります。奥田行高の父である近松小右衛門の後妻となった「かめ」は徳島藩士の娘であり、その実家が現在の徳島市福島に位置していたことから、この慈光寺に葬られたと伝えられています。このことから、慈光寺は赤穂浪士ゆかりの寺としても知られています。

伝承

慈光寺には、古くから伝わる不思議な伝承が残されています。

真夜中に寺の裏にある墓地の空き地で、一人で杭を槌で打ち込むと、必ず裾が杭と一緒に地中に打ち込まれてしまうというのです。

昔、若侍たちが集まって話をしていた際、ある侍が「裾食い杭」の話をしました。それを聞いた一人の侍が、試しにやってみようと言い出しました。しかし、実際に試してみると、裾どころか袖まで杭に打ち込んでしまったのです。困った侍は着物を脱ぎ、ふんどし姿で再び杭を打ち込んだところ、今度はふんどしまで打ち込んでしまったという話です。

この伝承は、慈光寺の持つ神秘的な雰囲気を今に伝えています。

前後の札所

阿波秩父観音霊場において、慈光寺は以下の札所の間に位置しています。

24番 丈六寺
25番 慈光寺
26番 津田寺

アクセス

慈光寺へのアクセスは以下の通りです。

JR徳島駅から徒歩約22分
徳島市営バス「沖洲、末広フェリー」行きに乗車、「福島小学校前」下車、目の前

外部リンク

阿波秩父観音札所 慈光寺

慈光寺は、歴史的な背景と不思議な伝承を持つ、魅力的な寺院です。阿波秩父観音霊場巡礼の際には、ぜひ訪れてみてください。

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