慈恩寺 (郡上市)

岐阜県郡上市にある慈恩寺は、臨済宗妙心寺派に属する寺院で、山号を鐘山と称します。正式には慈恩護国禅寺といい、本尊には釈迦如来が祀られています。

歴史

慈恩寺は、1606年（慶長11年）に郡上八幡城主であった遠藤慶隆によって開基されました。開山には、半山紹碩が師である南化玄興を招き創建されたと伝えられています。当初は慈恩寺という寺号でしたが、江戸時代の1738年（元文3年）に護国の号を賜り、慈恩護国禅寺と改称しました。

この寺には、隠山惟琰の法を継いだ棠林宗寿という著名な住職がおり、彼の法統が現在まで受け継がれています。そのため、寺には隠山や棠林による貴重な墨跡が数多く所蔵されています。

また、慈恩寺は過去に大きな災害に見舞われています。明治26年（1893年）には、裏山が豪雨によって大規模な土砂崩れを起こし、寺が埋没する被害を受け、多数の死傷者を出しました。この災害は「慈恩寺崩れ」として知られています。

文化財

慈恩寺は、歴史的な価値のある文化財を所蔵しています。その中でも特に重要なものとして、以下の文化財が指定されています。

重要文化財
花園天皇宸翰御消息
岐阜県指定重要文化財
絹本著色薬師三尊十二神将像
紙本墨書白隠禅師書

これらの文化財は、慈恩寺の歴史と文化を物語る上で重要な役割を果たしています。

慈恩寺は、その美しい自然環境とともに、歴史と文化に触れることができる場所として、多くの人々に親しまれています。また、過去の災害の教訓を胸に、地域の人々にとって心の拠り所となる寺院として、その役割を果たし続けています。

外部リンク

慈恩護国禅寺・荎草園（てっそうえん）（公式ホームページ

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