郡上八幡城

郡上八幡城について

郡上八幡城は、岐阜県郡上市八幡町柳町に位置する日本の城です。その城跡は岐阜県指定史跡であり、復元された天守は郡上市指定有形文化財に指定されています。また、続日本100名城の第141番にも選ばれています。

歴史

戦国時代末期、この地は東氏によって支配されていましたが、遠藤盛数によって滅ぼされました。盛数は八幡山の砦を築き、これが郡上八幡城の起源とされています。その後、盛数の長男である慶隆が城主となりましたが、織田信孝の傘下に属したため追放されました。

天正16年（1588年）には稲葉貞通が城主となり、大規模な改修が行われました。この改修で、現在の近世城郭としての基礎が築かれました。その後、関ヶ原の戦いの功績により再び慶隆が城主となり、さらなる改修を行いました。慶長6年（1601年）から慶長8年（1603年）にかけて行われた普請では、石垣や櫓などが整備されました。

遠藤氏が5代にわたり城主を務めた後、井上氏、金森氏を経て、青山氏が7代にわたり城主を務め、廃藩置県まで郡上藩の藩庁として機能しました。明治維新後、廃城となり、建物は取り壊されました。

現在の天守は、大垣城を参考に昭和8年（1933年）に木造で復元されたものです。この木造の模擬天守は、現存する木造再建城としては日本最古です。

城の構造

郡上八幡城は山城であり、吉田川のほとりに聳えています。城自体は小規模ですが、その美しい佇まいは多くの人々を魅了します。城からは城下町を一望でき、その風景は大変美しいものです。作家の司馬遼太郎は、『街道をゆく』で「日本で最も美しい山城」と称賛しています。

現在の様子

現在、城跡は岐阜県指定史跡に、模擬天守は郡上市有形文化財に指定されています。城内は歴史資料館として利用され、様々な資料が展示されています。2023年（令和5年）には、再建90周年を記念して耐震補強工事と展示内容の一新が行われました。現在は郡上八幡産業振興公社が管理しており、郡上青山家の家系の幸紀氏が職員として天守閣等の管理に従事しています。

現存する遺構

二の門は競売にかけられた後、郡上市美並町の宝樹庵に移築され現存しています。また、本丸御殿の部材が善光寺に、城郭の部材が愛宕町の民家に用いられたと伝えられていますが、いずれも原型を留めていません。

主な展示品

歴史資料館には、以下の展示品があります。

金の弩標: 徳川家康から拝領したとされ、青山家に伝わる家宝です。
遠藤家の鎧: 遠藤慶隆が姉川の戦いで着用したとされる鎧です。
青山家の鎧: 青山家に代々伝わる家宝の鎧です。
見性院（山内一豊の妻）肖像画: 初代八幡城主遠藤盛数の娘であり、山内一豊の妻である千代の肖像画です。
郡上八幡城合戦絵図: 遠藤慶隆と稲葉貞通の間で行われた合戦を描いたものです。
日本一（霊府神）: 青山幸哉が江戸下屋敷で発見した大木から出てきた「日本一」の文字を祀ったものです。
青山家領地目録: 青山家の領地を示した目録です。
金屏風（鷹の絵）: 城中にあったとされる屏風で、駒井源琦の作と伝えられています。

エピソード

山内一豊の妻の出身地: 土佐藩主山内一豊の妻である千代は、郡上八幡城主遠藤盛数の娘であるという説があります。
人柱およし伝説: 城の改修工事の際、人柱として身を捧げたおよしを祀る祠があります。
赤髭作兵衛の力石伝説: 城の改修工事の際、大石を運んだとされる赤髭作兵衛の力石が展示されています。
凌霜隊: 戊辰戦争で旧幕府軍に加わった郡上藩脱藩士の組織である凌霜隊の顕彰碑があります。
御朱印: 城の御朱印が販売されており、売り上げは城の整備や被災地の城への寄付に充てられています。また、毎月最終金曜日には「金の城御朱印」が発行されています。

ギャラリー

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関連項目

八幡城（曖昧さ回避）
日本の城一覧
郡上藩
上野城

外部リンク

郡上八幡城｜岐阜郡上市・郡上八幡の日本最古の木造再建城
郡上市
郡上八幡観光協会
郡上八幡城の観光ガイド
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